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2006 年度 実績報告書

精子鞭毛の超活性化運動能力を指標とした黒毛和種の繁殖能力評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18580281
研究種目

基盤研究(C)

研究機関神戸大学

研究代表者

原山 洋  神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (30281140)

研究分担者 三宅 正史  神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (60093316)
村瀬 哲磨  岐阜大学, 応用生物科学部, 助教授 (30303514)
キーワードウシ / 精子 / 運動 / ハイパーアクチベーション / 細胞内シグナリング / 環状アデノシン1リン酸 / 受精能獲得
研究概要

検討内容(1):洗浄処理後の黒毛和種精子をBO-Hepes液に浮遊させた後(精子濃度:5.0×10^8精子/ml),cAMPアナログ(cBiMPs)を様々な濃度で添加し,38.5℃で1〜3時間インキュベートしたところ,0.1mM cBiMps添加およびインキュベーション3時間が好適で,20〜48%の精子で超活性化運動が誘起された。しかしcBiMps無添加区ではいずれのインキュベーション時間においても超活性化運動を示す精子はほとんど認められなかった。以上の結果から,ブタ精子に対して良好であったのとほぼ同じ処理条件で黒毛和種精子に超活性化運動を誘起できることが明らかとなった。なおこの点は,ウシ精子での超活性化運動の制御にカルシウムシグナリングが主に機能し,cAMPシグナリングは関与しないとするSuarezらの仮説とは一致しない。従って上述の結果は既存の仮説とは異なり,黒毛和種(ウシ)精子に超活性化運動を制御するcAMPシグナリングが存在することを示唆している。
検討内容(2)および(3):超活性化運動の誘起に好適であった条件で処理した黒毛和種精子をウエスタンブロッティングに供してタンパク質チロシンリン酸化状態を調べたところ,少なくとも9種類のタンパク質でcAMP依存的なチロシンリン酸化反応が認められた。しかし,同一条件で処理されたブタ精子での結果に比べてリン酸化の程度はかなり低レベルであった。また,ブタ精子でのタンパク質チロシンリン酸化に機能するチロシンキナーゼSYKについて,黒毛和種精子ではその活性化は検出できなかった。以上の結果は,黒毛和種での超活性化運動にSYK以外のチロシンキナーゼが関与することを指摘している。なお,現在は黒毛和種精子で機能的なチロシンキナーゼを特定するため,別の非受容体型チロシンキナーゼ(FAKなど)についての検討を進めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Fertilization-related Parameters of Frozen-thawed Spermatozoa from Subfertile Japanese Black Cattle2007

    • 著者名/発表者名
      Ken KURODA
    • 雑誌名

      Reproduction, Fertility and Development 19・1

      ページ: 266-267

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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