• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

精子鞭毛の超活性化運動能力を指標とした黒毛和種の繁殖能力評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18580281
研究機関神戸大学

研究代表者

原山 洋  神戸大学, 農学研究科, 准教授 (30281140)

研究分担者 三宅 正史  神戸大学, 自然科学系先端融合研究環重点研究部, 教授 (60093316)
村瀬 哲磨  岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (30303514)
キーワードウシ / 精子 / 運動 / ハイパーアクチベーション / 細胞内シグナリング / 環状アデノシン1リン酸 / 受精能獲得
研究概要

検討内容(1):低繁殖能力雄個体(5頭)および正常繁殖能力雄個体(1頭:対照区)の凍結精子を洗浄後にcAMPアナログ(cBiMPS)含有培養液中で3時間処理し,運動性の変化を客観的観察法により解析した。低繁殖能力雄個体では,処理前の運動精子率は69%で,対照区(72%)とほぼ同等であった。しかし処理後にその値は52%まで大きく低下し,対照区(69%)よりも有意に低くなった。また処理後の超活性化運動(HA)精子率は20%で,対照区(24%)との間に有意差は認められなかったが,なかには極端に低い値のサンプルが多くみられた。以上のように,精子の運動保持性は黒毛和種雄個体の繁殖能力評価法の生物学的指標となりうることを新たに示唆したが,HA能力の指標としての有効性は明確にできなかった。
検討内容(2):上記の実験を実施する過程で,cBiMPS処理により通常よりも高率(39%)の精子でHAが誘起される個体(高HA個体)を発見した。そこで高HA個体由来の精子におけるcBiMPS処理後のタンパク質チロシンリン酸化パターンをデンシトメータ画像解析法により対照区(HA率:28%)と比較したところ,105kDaおよび130kDaのチロシンリン酸化タンパク質が有意に高い強度で検出された(対照区に対する検出強度比はそれぞれ165%および163%)。他方,94kDaチロシンリン酸化タンパク質も高HA個体でより強く検出される傾向にあったが,これと同一の分子マスのFAK様チロシンキナーゼが鞭毛主部に存在し,cBiMPS処理によってチロシンリン酸化されて活性化型となることを明らかにした。これらのチロシンリン酸化タンパク質はいずれもウシ精子のHA能力を測定するための生化学的指標の候補分子で,またHAの分子機構の解明および人為的な精子の受精制御法の開発における重要な因子でもある。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Premature capacitation of frozen-thawed spermatozoa from subfertile Japanese Blaek cattle.2007

    • 著者名/発表者名
      Ken KURODA
    • 雑誌名

      J. Reprod. Dov. 53

      ページ: 1079-1086

    • 査読あり
  • [学会発表] ウシ精子のハイパーアクチベーション発現制御に関与する候補分子の特定2008

    • 著者名/発表者名
      西島 和弘
    • 学会等名
      第109回日本畜産学会大会
    • 発表場所
      水戸市
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] ウシ,ブタおよびマウスの精子でのタンパク質チロシンリン酸化に及ぼすcAMPアナログとタンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤の影響2007

    • 著者名/発表者名
      西島和弘
    • 学会等名
      第100回日本繁殖生物学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-10-22
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] ウシおよびブタの精子におけるcAMP依存性タンパク質チロシシンリン酸化2007

    • 著者名/発表者名
      西島 和弘
    • 学会等名
      日本アンドロロジー学会第26回学術大会
    • 発表場所
      浦安市
    • 年月日
      2007-07-05

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi