研究課題
基盤研究(C)
獣医学における樹状細胞を用いた新しい癌免疫治療法の開発とヒト臨床応用への有効性を検討することを目的として研究を行い、以下の成果を得た。1.in vitroにおける末梢血単球から樹状細胞への簡便な分化誘導法の確立:従来in vitroにおける樹状細胞への分化誘導には、複数の精製サイトカインを異なったタイミンダで培養へ添加しなければならなかった。そこで、イヌ末梢血T細胞を活性化刺激して得られたイヌサイトカイン溶液(T cell conditioned medium:TCCM)のみを用いて末梢血単球から樹状細胞への分化誘導を試みたところ、12日間の培養により、形態的にも、機能的にも成熟樹状細胞の特性を持った細胞への分化誘導に成功した。2.樹状細胞とインターフェロンγを併用したイヌにおける癌治療法の開発:生体内において、樹状細胞の活性を維持し、癌免疫による治療効果をたかめるために、イヌ組換え体インターフェロンγを、腫瘍罹患犬の末梢血単球からin vitroで分化誘導した樹状細胞とともに腫瘍病巣内に注入したところ、5例の腫瘍発症例において、腫瘍の消滅あるいは著しい退縮を得られた。3.癌免疫を増強するサイトカインの遺伝子クローニングと導入ベクターの作製:樹状細胞による抗腫瘍免疫効果をさらに高めるために、樹状細胞に癌免疫を増強するサイトカインの遺伝子導入することを考え、その第一段階としてイヌインターロイキン(IL)-12、IL-18およびCD40リガンドの遺伝子をクローニングして、それら遺伝子の発現ベクターを作製した。その過程において、単独遺伝子による分泌が不可能なIL-18や本来膜結合型であるCD40リガンドを分泌型にするため、それぞれの遺伝子の機能的タンパクをコードする配列の上流にシグナルシークエンスを付加し、変換遺伝子からの機能的タンパクの分泌に成功した。
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