研究課題
基盤研究(C)
1.ウエストナイルウイルス(WNV)が血液脳関門(Blood-brain barrier; BBB)を通過する機序には不明な点が多い。本研究では、ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)をTranswell filterの上面に接着、単層培養を行い、BBBのin vitroモデルとして使用した。2.pCMVベクターにWNV NY99 6LP株およびEg101株の構造遺伝子(C、PrM、E)を組み込んだ発現プラスミドを作製した。これとWNVレプリコン(WNV非構造蛋白遺伝子全長と緑色蛍光蛋白EGFP発現カセットを有する)をBHK細胞に共導入し、ウイルス様粒子(Virus-like particles; VLPs)を作製した。3.WNV強毒株である 6LP株のVLPs(6LP-VLPs)および弱毒株であるg101株のVLPs(Eg-VLPs)をin vitro BBBモデルに感染させ、BBBを透過したVLPsの量を24時間後に測定した。Transwell内に接種した6LP-VLPsの約1/10量が下方のチャンバーから検出されたが、同様に接種したEg-VLPsは下方のチャンバーからほとんど検出されなかった。このように両者のin vitroBBB透過性には有意な差が認められ、ウイルスの毒力とBBB透過性との関連性が示唆された。次にHUVECに6LP-VLPsを感染させ、タイトジャンクション(TJ)のマーカーであるZO-1の免疫染色を行った。その結果、非感染細胞と感染細胞のZO-1の局在には差がなく、WNV感染によりTJの構造は変化しないことが示唆された。一方、クラスリンエンドサイトーシスの阻害剤であるChlorpromazineでHUVECを処理することにより、WNV 6LP株の感染が有意に減少した。以上の結果から、WNVはクラスリン介在性経路を利用したトランスサイトーシスによってBBBを通過する可能性が示唆された。
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