研究概要 |
平成18年度においては、免疫抑制ニワトリモデルと致死性エンドトキシンショックマウスモデルを作出し、これらのモデル動物における天然型/合成型免疫修飾物質の投与効果等について検索した。(研究概要)(1)免疫抑制剤シクロフォスファミド(CPA)誘発免疫抑制ニワトリに免疫賦活物質であるサトウキビ抽出物(SCE)を経口投与することにより、ニワトリの免疫抑制の病態は機能的および組織学的にも軽減し、修復が認められた(日本免疫学会・免疫サマースクール2006講演要旨集、p.75、2006;第143回日本獣医学会・講演要旨集、p.194(EPI-171)、2007)。また、その修復効果を誘導する主たる物質は、SCEが含有するポリフェノールであった(Phytotherapy Research,21(2),120-125,2007)。(2)リボ多糖体(LPS)誘発致死性エンドトキシンショックマウスモデルにおいては、LPSの接種48時間前にSCEを投与することにより、エンドトキシンショック死を防御した。また、抗菌性活性を有する台湾カブトムシ由来ディフェンシンの合成改変ペプチド(Df)もLPS誘発エンドトキシンショック死を同様に防御した。これらの防御効果は、SCEとDfのTNFαとNO産生抑制作用と関連していることが判明した(International Immunopharmacology,6(2),234-2402006;Phytotherapy Research,20,359-363,2006;International Immunopharmacology,6(6),1748-1753,2006;Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry,70(12),2853-2858,2006)。
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