研究課題/領域番号 |
18580307
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
杉山 誠 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (80196774)
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研究分担者 |
北川 均 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (70144003)
伊藤 直人 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20334922)
淺野 玄 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (30377692)
宮澤 清志 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (20012031)
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キーワード | ロタウイルス感染症 / 疫学調査 / ウシ / 感染動態 / P遺伝子型 / 遺伝子組換え |
研究概要 |
平成18年度の研究により、ウシ正常便1例からA群ロタウイルス遺伝子が検出された。そこで、調査地の拡大と材料の増数を図り、健康なウシからウイルス遺伝子を検出することにより同ウイルスの感染動態についての解明を進めた。岐阜県内の健康なウシから採取した糞便2146例について、RT-nestedPCR法によりロタウイルスVP4遺伝子の検出を試みたところ、44例が陽性となった。これらのウイルスは全て、非流行時に健康なウシから検出されたものである。また、このうち7例は子牛ではなく成牛から検出され、2例は7〜8月の夏季に検出された。VP4遺伝子の塩基配列を解読した結果、これらのウイルスの遺伝子型は、P[5]、P[11]、P[14]および既知のP遺伝子型とは異なるタイプであることが明らかとなった。これらの遺伝子型のウイルスは、日本あるいは近隣地域で、ウシにおける下痢症流行の原因となっている。従って、常在的にウシが保有するロタウイルスが下痢症流行を引き起こす潜在性を有していると考えられた。さらに、一部、VP7遺伝子を解析した結果、同一農場で検出されたロタウイルスに遺伝子組換え体が存在し、非流行時であってもウイルス分節の組換えが起きていることが示された。以上、A群ロタウイルスは、幼若期以外の健康なウシにおいても感染・排泄が起きており、流行がほとんどみられないとされる夏季にもこの現象が観察された。今回、常在化しているロタウイルスが流行を引き起こす可能性と、遺伝子組換え体の存在から新たな変異ウイルスによる流行リスクがあることを示すことができた。
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