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2008 年度 実績報告書

ニューヨーク株ウエストナイルウイルスに対する日本産蚊の媒介能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18580310
研究機関大分大学

研究代表者

江下 優樹  大分大学, 医学部, 准教授 (10082223)

研究分担者 牧野 芳大  大分大学, 医学部, 教授 (60039930)
キーワードウイルス / 昆虫 / タンパク / プロテオーム / 感染症
研究概要

1999年にニューヨーク州で発生したウエストナイル熱の流行は、アラスカとハワイ州を除く全州に年毎に拡大していった。ニューヨークで分離されたウエストナイルウイルスの病原性は、アフリカで分離された株と異なり極めて強毒であった。本ウイルスの媒介蚊は、野鳥に吸血嗜好性の高いアカイエカ群の蚊が媒介蚊であったが、ヒトと関わりのある蚊種のほとんどがウイルス感受性を示し、しかも媒介可能であった。しかし、日本の住宅周辺に生息する蚊がこのニューヨーク株ウエストナイルウイルスにどの程度の感受性と媒介能を示すかを調べたデータは極めて少ない。ヒトおよび家畜の生活環境に密接した蚊種の本ウイルス感受性と媒介能を明らかにして、国内への本ウイルス侵入の際のリスク評価を行い、また、蚊のウイルス親和性要因についての解析を試みた。
アカイエカ、ヒトスジシマカ、ヤマトヤブカに対する本ウイルスの感受性と媒介性を既に検討した。これら蚊種の感染率は、アフリカで分離されたウガンダ株ウエストナイルウイルスより高かったことから、ニューヨーク株ウエストナイルウイルスと日本産蚊種との親和性が極めて高いことが推察された。本年度は、この親和性について検討するために、血液のみを吸液した蚊、およびウイルスを含む血液を吸液した蚊を約14日間飼育した後、蚊の中腸のみを取り出し、二次元電気泳動による発現タンパクの解析を行った。その結果、25から100kDA、pH3からpH11の範囲に散在した、複数の比較的強いスポットが感染蚊の中腸に認められた。これらのスポットにはウイルス由来のものも含まれていたが、ウイルス抗体に反応しないスポットがウエスタンブロット解析で明らかとなった。これらタンパクの解析が今後必要である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 浄化槽における犬糸状虫伝搬蚊、チカイェカ Culex pipiens molestus Forskal幼虫の季節的変化、特に夏季における高温の影響2008

    • 著者名/発表者名
      在津 誠
    • 雑誌名

      長崎県生物学会誌 64

      ページ: 4-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Molecular epidemiology of dengue virus serotypes 2 and 3 in Paraguay during 2001 - 2006 : the association of viral clade introductions with shifting serotype dominance2008

    • 著者名/発表者名
      Jose D. J. Diaz Aquino
    • 雑誌名

      Virus Res. 137(2)

      ページ: 266-270

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 原虫の検査2008

    • 著者名/発表者名
      江下優樹
    • 雑誌名

      臨床と微生物 35

      ページ: 351-356

  • [学会発表] Dengue infection's dynamics of vector mosquitoes in the patient's houses, Thailand2008

    • 著者名/発表者名
      Yuki Eshita
    • 学会等名
      The Second International conference on Dengue and Dengue Hemorrhagic Fever 2008
    • 発表場所
      Phuket, Thailand
    • 年月日
      2008-10-16
  • [図書] 環境報告書2008(2007年度)2008

    • 著者名/発表者名
      牧野芳大, 江下優樹
    • 総ページ数
      41
    • 出版者
      地球温暖化の影響による亜熱帯地域の感染症拡大に関する疫学研究

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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