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2007 年度 実績報告書

エキノコックス成虫cDNAライブラリーを基盤とした感染イヌ対策法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18580313
研究機関北海道立衛生研究所

研究代表者

八木 欣平  北海道立衛生研究所, 感染症センター・生物科学部, 衛生動物科長 (70414323)

研究分担者 加藤 芳伸  北海道立衛生研究所, 感染症センター生物科学部, 遺伝子工学科長 (00414326)
松本 淳  北海道大学, (連合)獣医学研究科, 学術研究員 (70296169)
鈴木 智宏  北海道立衛生研究所, 感染症センター生物科学部, 研究職員 (10414327)
後藤 明子  北海道立衛生研究所, 感染症センター生物科学部, 研究職員 (60414322)
奥 祐三郎  北海道大学, (連合)獣医学研究科, 准教授 (60133716)
キーワードエキノコックス症 / イヌ / 成虫 / cDNAライブラリー / 血清診断 / ワクチン
研究概要

北海道のエキノコックス症は、住民の健康への脅威となっている。エキノコックス症における媒介動物対策は、その重要性にもかかわらず、実験実施者に感染の危険を伴うため、十分に検討されているとはいえない。我々は新たなエキノコックス対策法を構築するために、北海道立衛生研究所の特殊感染実験施設を用いて、本研究を開始した。初年度に、実験的に感染させたイヌから得た成虫を用いて作製した多包条虫成虫のcDNAライブラリーの中から、これまで報告のない新規のシグナル配列を持つ分泌・膜結合型のタンパク質をコードする遺伝子emY162を発見し、その構造を明らかにした。また感染イヌ血清中にこのタンパク質に対する抗体が誘導されることを認めた。本年度は、この遺伝子の有用性をさらに検討するため、実験的な検討を加えた。まず多包条虫虫卵をコトンラットに投与し、肝臓に形成された幼虫から抽出したmRNAを用いたRT-PCR解析を行い、この遺伝子が、成虫のみならず幼虫ステージにおいても発現していることを明らかにした。また、組換え蛋白を作製、BALB/cマウスに免疫し、イヌへの実験感染により得られた多包条虫の虫卵をこれらの免疫マウスへ感染させたところ、74.2%の感染抑制を認めた。これらの検証により、本遺伝子によって産生されるタンパク質が、人を含む中間宿主に対するワクチン効果があることを確認した。また、これらの実験結果は2報の学術論文および2報の学会発表として公表した。
最終年度はさらにこの新規抗原の有用性を明らかにするとともに、新たなクローンについても解析を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Characterization of emY162 encoding an immunogenic protein cloned from an adultworm-specific cDNA library of Echinococcus multilocularis2008

    • 著者名/発表者名
      Katoh, et. al.
    • 雑誌名

      Biochim Biophys Acta. 1780

      ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The vaccination potential of EMY162 antigen against Echinococcus multi locularis infection2007

    • 著者名/発表者名
      Kouguchi, et. al.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun. 363

      ページ: 915-920

    • 査読あり
  • [学会発表] 組換えEMY162抗原の中間宿主における多包条虫感染防御効果2008

    • 著者名/発表者名
      八木 欣平
    • 学会等名
      第145回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      神奈川県相模原市
    • 年月日
      2008-03-29
  • [学会発表] Characterization of a novel secretory-protein cloned from an adult worm-specific cDNA library of Echinococcus multilocularis2007

    • 著者名/発表者名
      Katoh, et. al.
    • 学会等名
      22nd International Congress of Hydatidology
    • 発表場所
      ギリシア共和国アテネ
    • 年月日
      2007-05-18

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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