研究概要 |
判定に数日を要する従来の培養法に比べ、迅速にready-to-eat野菜及び果物から汚染総菌数を定量できる新しいリアルタイムPCR法を開発することを今年度の目的とした。プライマーの設計に当たり、菌種間でコピー数などに違いがある16S rRNAに代わり、ほぼ全ての細菌に普遍的なRNAポリメラーゼのβサブユニットをコードするRpoB遺伝子を選択した。また、経済性のあるSYBR Green色素を用いることとした。E.coli、Salmonella Enteritidis、Aeromonas hydrophila、Yersinia enterocolitia、Vibrio parahaemolyticus、Listeria monocytogenesの各菌株および5種類の野菜及び果物から分離した49の菌株(Rahnella aquatilis, Raoultella terrigena, Pantoea agglomerans and Enterobacater cowaniiなど)を用い、設計したプライマーセットが幅広い菌種においてrpoB遺伝子を特異的に増幅することを確認した。さらに、Rahella aquatilis, Raoultella terrigena, Pantoea asslomerans andEnterobacater cowaniiの精製DNAをそれぞれ終濃度が20ng〜20fg/PCR tubeになるように段階希釈し、リアルタイムPCR用いて検出感度を確認した。次年度は、市販の野菜及び果物を購入し、開発されたリアルタイムPCR法にて汚染菌を検出すると同時に、その結果を培養法で確認された菌数と比較し、培養法による菌数と検出PCRサイクル数に相関が見られるか確認する。
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