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2006 年度 実績報告書

ビアリール型分子の効率的合成とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 18590005
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岡山大学

研究代表者

阿部 仁  岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 助教授 (70221728)

キーワードパラジウム / 天然物合成 / フェニルベンゾエート / ベンゾナフトアミド / 動的速度論的光学分割 / 軸不斉
研究概要

パラジウム試薬を用いる分子内ビアリールカップリング反応は、二つの芳香環の間に炭素-炭素結合を形成させるための便利な反応である。今回、フェニルベンゾエート型分子及びベンゾナフトアミド型分子に対して、本反応を適用し数種の天然物の合成を達成した。
1.フェニルベンゾエート型分子の反応と天然物合成
(1)Alternariolの合成:対応する安息香酸誘導体とフェノール誘導体より合成したエステルに対してパラジウム触媒系反応を用いて閉環体を得た。その後。脱保護反応等の変換を行ない、alternariolを合成した。
(2)Graphislactone G及びHの合成:原料となる安息香酸誘導体は、独自に開発した手法により合成を行なった。これと必要な官能基を有するフェノール誘導体を縮合させることにより、フェニルベンゾエート体とした。パラジウム反応系による閉環とそれに続く脱保護反応を経て、graphislactone GおよびHを合成した。
(3)Ulocladolの合成:同様の手法により閉環体を得た後、加メタノール分解の条件でラクトン環の再構築反応が進行することを見いだした。得られた七員環ラクトン体の選択的脱保護を行ないulocladolの合成を達成した。
(4)Valoneic acid誘導体の合成:高度に酸化されたジフェニルエーテルを合成した後、上述の手法によりラクトン体を得た。動的速度論的光学分割により軸不斉部を構築し、valoneic acid誘導体の立体選択的合成に成功した。
2.ベンゾナフトアミド型分子の反応とzanthoxylineの合成
ベンゾナフトアミド体の閉環反応を利用してzanthoxylineを合成した。しかしながら、得られた化合物のスペクトルデータは、報告されているものとは一致しなかった。そこで、各種類縁体の合成を行ない、zanthoxylineの真の構造を明らかとした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Intramolecular Biaryl Coupling Reaction of Benzyl Benzoate and Phenyl Benzoate Derivatives, and Its Application to the Formal Synthesis of (-)-Steganone2007

    • 著者名/発表者名
      Shigemitsu Takeda
    • 雑誌名

      Tetrahedron 63巻・2号

      ページ: 396-408

  • [雑誌論文] Syntheses of Ulocladol2006

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Abe
    • 雑誌名

      Heterocycles 69巻・1号

      ページ: 217-222

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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