研究課題/領域番号 |
18590009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
佐治木 弘尚 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (50275096)
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研究分担者 |
前川 智弘 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (40363890)
門口 泰也 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (40433205)
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キーワード | 有機化学 / パラジウム / 重水素化 / 重水素ガス調製法 |
研究概要 |
不均一系白金属触媒を用いた接触重水素化法やH-D交換反応は、重水素標識化合物合成における第一選択肢である。本研究は、Pd/C-D_2O-H_2システムによる穏和な重水素ガスの用事調製法(H2ガスとD2ガスの触媒的交換反応)の確立と重水素多重標識化合物合成法への適用を中心として検討するものである。 本年度は、最適条件の検討によりD_2ガス発生効率の最適化に引き続き、D_2発生後の反応系内に多様な基質を加え、発生したD_2ガスの有機化合物への固定化すなわち、接触重水素化反応やH-D交換反応を利用したDラベル化合物の合成を検討し、多様な基質の重水素標識化に成功している。特に、家畜用抗菌薬であるスルファジミジンの多重重水素化体は現在、食肉中残留農薬定量用のサロゲート化合物としての適用が検討されている。 また、重水からの直接的重水素転写反応では、触媒及び溶媒の詳細なスクリーニングを行い、ベンジル位並びに芳香環選択的標識化法さらにはアルカンの多重標識化の確立に成功し、それらの一般性を示した。現在、これらの成績体の環境化学・分析化学・有機化学へ・代謝化学分野への応用検討を鋭意実施している。なお、 今回の検討過程で、第二級アルコールあるいはケトンを基質とした場合に、重水素化された第二級アルコールとケトンの混合物が得られる、いわゆるRedox反応とH-D交換反応が併発する興味深い反応を見いだし、反応機構的解明に至っている。
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