研究課題
新規抗感染症薬の開発を目指し、コンピュータ利用した合理的分子設計手法によリ、キチナーゼへの結合親和性が改善されたアーガジン誘導体、および経口可能な非ペプチド性新規キチナーゼ阻害剤をデザインし、それに基づき合成を行い、その経口剤としての利用を達成するために、より体内動態の優れたマクロライド骨格へ変換した新規抗感染症薬を創製する。具体的には、分子モデリンを参考にし、確立した固相合成を用いてフォーカスライブラリーの構築を行い、構造活性相関を明らかにすると共に、より優れたキチナーゼ阻害活性剤を見いだしていく。続いてアーガジンの主鎖環状部分がマクローライド抗生物質の14員環部分と大きさ的によく似ていること着目し、アーガジンの主鎖環状部分をマクロライド骨格(非ペプチド化)し経口投与可能な抗真菌薬、及び殺虫剤の開発を行う。そこでまず、ペプチド合成で実績のある2-クロロトリチルクロライドリンカーを固相担体として利用し、アージフィンのカルボン酸を固相の足掛かりとしてアミノ酸を順次縮合し、固相上での環化、固相から切断によりシクロペプチドを合成した。合成したアージフィンが天然物と同定された。そこで、次にこのスキームでライブラリー化を行った所、天然物より高活性な化合物を見出した。また、アージフィン主鎖環状部分の三次元構造が14員環マクロライド骨格と非常に類似していることに着目し、アージフィンの主鎖環状部分をマクロライド骨格に転換し、合成することを試みた。我々は既に、最適化されたアージフィン誘導体から14員環マクロライドへの骨格転換を試み、マクロライド誘導体を分子設計した。そこで、このマクロライド誘導体を標的分子とし、エリスロマイシンから種々誘導化を行い、全ての官能基、置換基を導入することが出来た。現在、様々なキチナーゼに対してアッセイ評価を行っている。
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