研究課題/領域番号 |
18590035
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
丸山 徹 熊本大学, 薬学部, 教授 (90423657)
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研究分担者 |
小田切 優樹 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80120145)
川原 浩一 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (10347015)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 生物物理化学 / タンパク結合 / α_1-酸性糖タンパク質 |
研究概要 |
血清タンパク質の一つであるα_1-酸性糖タンパク質(AGP)は、塩基性薬物の主要結合タンパク質として機能しているものの、リガンド結合部位の詳細な位置関係、いわゆるトポロジーは全くと言ってよい程明らかにされていない。本研究の目的は、光アフィニティラベル法、部位特異的変異法及びドッキングシミュレーションなど種々の方法によりその詳細を明らかにし、薬物結合部位のトポロジー解析を行うことである。 1.F1*S体に選択的に結合することが知られているプラゾシンをアジド化することにより、光反応性を持った[^3H]アジドプラゾシンを得ることに成功した。その後、F1*S体を光ラベル化後、これまでと同様の手法でペプチドへ断片化し、エドマン分解によるアミノ酸配列解析及びマススペクトル法によりラベル化されたアミノ酸残基を同定した。その結果、^<64>Glu、^<92>Val、^<98>Phe、^<100>Hisが結合に関与している可能性が強く示唆された。さらにAGPの薬物結合部位における多型間の相違についてトポロジー解析を行い、化学修飾法や部位特異的変異法により^<97>His、^<122>Trp、^<160>TrpがAGPの薬物結合に重要な残基であることが明らかとなった。 2.大腸菌により組換え型AGP(F1*S体とA体)の作製に成功した。その後、Crystal screenやWizardなどの結晶化キットを用いて組換え型AGPの結晶化に成功した。最適な結晶化条件は現在検討中であり、X線結晶構造解析により、それぞれの立体構造を解明できる秒読み段階である。また、得られたF1*S体とA体を用いてそれぞれに選択的に結合する薬物とのドッキングシミュレーションを行うことにより、化学修飾法や部位特異的変異法の結果を更に裏付けるものになると考えられる。
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