研究課題/領域番号 |
18590042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
小山 淳子 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (60102109)
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研究分担者 |
小林 典裕 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (90205477)
森田 いずみ 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (20299085)
加藤 芳徳 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (10368491)
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キーワード | アントラキノン / 酸化還元電位 / 抗発癌プロモーター / EBV-EA活性化抑制効果 / エモジン / サイクリックボルタンメトリー / 第1還元電位 / キノン |
研究概要 |
キノン類のRaji細胞を用いたEpstein-Barr virus early antigen(EBV-EA)活性化抑制効果と酸化還元電位との間における相関の一般性を明らかにすることにより、in vitroでの活性実験をすることなく、簡単な物理的測定により、キノン類の抗発癌プロモーション効果の有無の予測を可能にするため、解析用パラメーターとしての酸化還元電位の評価を行った。できるだけ多くのサンプルを用いて解析用基礎データを作成するために、天然物からの単離あるいは合成により化合物を収集する必要がある。そこで、Banksらの方法を用いてヒドロキシエモジン誘導体11種、ならびにメチル化エモジン8種を合成した。天然アントラキノンとして、決明子に含有されるクリソオブツシンなどの多置換アントラキノン類4種を単離した。さらに、アントラキノン類を多く含むダイオウからエモジンなどのキノン類を分取するため、緩衝液を用いないHPLC分離の最適条件を検討した。ヘテロキノン類については、チエノイソキノリンジオン1種を合成した。このようにして得た多置換アントラキノン類について、EBV-EA活性化抑制効果を測定するとともに、サイクリックボルタンメトリー法により酸化還元電位を測定し、両者の相関を検討し、酸化還元電位のパラメーターとしての有用性の評価を行った。ヒドロキシエモジン誘導体のEBV-EA活性化抑制効果と第1還元電位との間、ヒドロキシ基の数との間、カルボニル基の電荷との間に相関が認められ、ヒドロキシ基の数をパラメーターに加えた重回帰分析では、さらに良い相関が得られた。メチル化エモジン、クリソオブツシンなどのEBV-EA活性化抑制効果と第1還元電位との間、ヒドロキシ基とメトキシ基の数との間に相関が認められた。 今年度の研究結果から、ヒドロキシ基やメトキシ基を持つ多置換アントラキノン類において、第1還元電位は抗発癌プロモーター活性予測法のパラメーターとなりうることが示唆された。
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