研究概要 |
カテキンなどのポリフェノールについて検討を行ったところ、ヒポキサンチンーキサンチンオキシダーセによるスーパーオキシドアニオンラジカルの生成において消去反応を示し、相補的にポリフェノールのラジカル生成を確認した。また、脂溶性抗酸化物質の評価系を検討した。(1)ヘアレスマウスから取り出した皮膚組織をテッシュセルで固定し、光照射による実験をおこなった。皮膚の内面に4-hydoroxyTMPOLなどのニトロキシルラジカルを塗布し、光照射ある場合とない場合で比較したところ、照射しない場合でも、ラジカルは減少し、一方、光照射した場合ESRのラジカルシグナルは短時間に劇的に減衰した。さらにその組織切片をフェリシアン化カリウム溶液で処理したが、ESRシグナルの再酸化は10%ほど観測された。すなわち、皮膚の裏側には、ニトロキシルラジカルと反応するREDOX系反応が存在し、皮膚表面にUV照射することにより、ニトロキシルラジカルを還元する反応以外の消去反応系を飛躍的にジャッキしていると考えられた。このことから下記の(2)の実験内容を行った。(2)組織切片を皮膚の裏に5,5-dimethyl-1-pyrroline-N-oxide(DMPO)、2-(5,5-Dimethyl-2-oxo-2λ5-[1,3,2]-dioxaphosphinan-2-yl)-2-methyl-3,4-dihydro-2H-pyrrole 1-oxide(CYPMPO)などのスピントラップ試薬を塗布して、同様の操作を行ったところ、ラジカルの生成が確認された。このラジカルは過酸化ラジカルあるいはアスコルビン酸ラジカルの可能性があると考えられた。
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