研究課題/領域番号 |
18590053
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
川嵜 伸子 立命館大学, 総合理工学研究機構, 教授 (70077676)
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研究分担者 |
川嵜 敏祐 立命館大学, COE推進機構, 教授 (50025706)
MA Bruce Yong 立命館大学, COE推進機構, 准教授 (00378788)
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キーワード | マンナン結合タンパク質 / レクチン / ヒト結腸癌細胞 / 糖鎖リガンド / 血液型ルイス抗原 / ポリラクトサミン / CD26 / ジペプチジルペプチダーゼIV |
研究概要 |
血清マンナン結合タンパク質(mannan-binding protein;MBP)はマンノース、N-アセチルグルコサミン、フコースに特異的なCa^<2+>依存性レクチンである。MBPはヒト結腸癌由来SW1116細胞に対し、増殖抑制作用をもつ。これまで報告者らはこの抗腫瘍活性に関与すると考えられる、癌細胞上に発現する、内在性MBPリガンドオリゴ糖鎖の単離に成功し、それらがルイスAのタンデムリピートをもつ、非常に特徴的な構造の長鎖ポリラクトサミン様糖鎖であることを明らかにしている。本研究課題の平成18年度の研究により、SW1116細胞に発現する、この新規のN-グリコシド型MBPリガンドオリゴ糖鎖の主要なキャリヤータンパク質が、癌関連糖タンパク質であるCD26(DipeptidylpeptidaselV(DPPIV))分子であることを明らかにした。平成19年度は、CD26糖タンパク質上の糖鎖のうち、MBPに高親和性で結合する糖鎖の構造の特徴、およびリガンド糖鎖がこの糖タンパク質のどの部位に結合しているかをグリコプロテオミクスの手法により明らかにした。 1.大量培養したSW1116細胞の膜画分から抗ヒトCD26モノクローナル抗体カラムによりCD26を単離精製した。 2.精製CD26をキモトリプシン消化し、MBPカラムにより、MBP結合糖ペプチド画分とMBP非結合糖ペプチド画分に分画した。それぞれの画分をN-グリカナーゼ消化後、ペプチド部分と糖鎖部分に分離し 3.MBPに結合する糖鎖画分の質量分析により、MBPに高親和性をもって結合するリガンド糖鎖として、Le^a糖鎖の4個以上のタンデムリピート構造が必要であることを明らかにした。 4.ペプチド部分の質量分析により、CD26の9カ所の潜在的N-グリコシド型糖鎖付加部位のうち、7箇所に糖鎖が付加していることを明らかにした。そのうち、2カ所の付加部位はMBP非結合画分にのみ見出されたが、残り5カ所の付加部位は、MBP結合・非結合の両画分に見出された。
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