研究課題
基盤研究(C)
本研究では、methamphetamine(MAP)への渇望の再燃(薬物探索行動の発現)に関わる以下の点を明らかにした。1.ACh神経系に関する実験:MAP探索行動は、カンナビノイドCB_1受容体(CB1R)拮抗薬AM251によって抑制され、この作用は、非選択的ニコチン性ACh受容体(nAChR)拮抗薬mecamylamineの側坐核(NAC)及び前頭前皮質(PFC)内微量注入により拮抗された。2.渇望の誘発因子としてのストレスに関する実験:オペラント装置内でのストレス(電撃ショック)負荷によって、MAP探索行動が誘発された。また、MAP探索行動はストレス関連分子である副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)受容体拮抗薬によって有意に抑制された。3.ラジカル産生に関する実験:MAP探索行動はラジカル消去剤エダラボンによって有意に抑制された。4.扁桃体(BLA)のCBIRに関する実験:MAP関連刺激呈示により惹起されるMAP探索行動は、AM251のBLA内微量注入により有意に抑制された。しかしながら、MAP priming投与により惹起されるMAP探索行動は、BLA内微量注入では抑制されなかった。5.グルタミン酸神経系に関する実験:MAP探索行動は、AM251のBLA内微量注入によって有意に抑制され、この抑制作用はPFCならびにNAC内へのAMPA受容体拮抗薬DNQXの微量注入によって拮抗された。以上の検討より、MAP探索行動は、CB_1およびCRF受容体の活性化ならびに、ラジカル産生により発現する事が分かった。さらに、MAP探索行動はCBIRを介してnACh及びAMPA受容体を不活性化する事で発現する事が示唆される。また、MAP探索行動発現ではNAC、PFC及びBLAがその脳内責任部位である事が示唆される。
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