研究課題/領域番号 |
18590116
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
埴岡 伸光 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70228518)
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研究分担者 |
成松 鎭雄 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20113037)
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キーワード | 環境汚染物質 / 異物代謝酵素 / UDP-グルクロン酸転移酵素 / β-ナフトフラボン / HepG2細胞 / UGT1A1 / UGT1A6 / UGT1A9 |
研究概要 |
異物代謝酵素の発現は遺伝的要因や環境的要因により大きく変動する。本研究では、環境汚染物質の毒性・安全性評価法を確立するための一環として、ヒト由来培養細胞系におけるヒトUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT)の誘導性について検討した。 Ah受容体のリガンドとしてよく知られているβ-ナフトフラボン(BNF)暴露によるヒト肝癌由来HepG2細胞のUGT1A分子種の誘導性を酵素活性及びmRNAレベルから検討した。HepG2細胞ミクロゾームのUGT1A1の指標として用いた7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン(SN-38)のグルクロン酸抱合反応は、アロステリックな速度論的プロファイルを示し(n値:1.2〜1.3)した。V_<max>値は、BNF前処置により3.6〜4.3倍増加したが、S_<50>値はBNFの影響を受けなかった。一方、UGTIA6及びUGTIA9の指標として用いた4-メチルウンベリフェロン(4-MU)のグルクロン酸抱合反応は二相性の速度論的プロファイルを示し、BNF前処置によって高K_m相のK_<m2>値は有意に低下し(54〜69%)、V_<max>及びV_<max>/K_m値はいずれの相でも有意に増加した(1.9〜3.2倍)。しかし、BNF前処置によるUGT1A1のmRNAレベルの増加は確認できたが、UGT1A6及びUGT1A9の変動は認められなかった。これらの結果より、BNF前処置によってUGT1A1が誘導されるが、その発現・誘導機構としてAh受容体以外の要因も関与することが示唆された。
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