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2007 年度 実績報告書

臭素化難燃剤の毒性発現の鍵を握る水酸化代謝物の生成とその甲状腺ホルモン撹乱作用

研究課題

研究課題/領域番号 18590118
研究機関日本薬科大学

研究代表者

北村 繁幸  日本薬科大学, 薬学部, 教授 (40136057)

研究分担者 藤本 成明  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (40243612)
柏木 昭彦  広島大学, 大学院・理学研究科, 客員教授 (50106796)
太田 茂  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60160503)
杉原 数美  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20271067)
キーワード臭素化難燃剤 / 水酸化代謝物 / 代謝的活性化 / 甲状腺ホルモン活性 / 両生類 / 変態 / 内分泌撹乱活性 / オタマジャクシ
研究概要

臭素化難燃剤はパソコン、テレビを始めとする家電品あるいは建材の難燃剤として広く使用されている。環境への残留性からダイオキシンにかわる新らたな残留性汚染物質として注目されている。実際に、ヒトあるいは野生動物の体内から臭素化難燃剤あるいはその代謝物が検出されている。その中には、臭素化難燃剤の毒性の一役を担っている活性代謝物も存在すると考えられている。一方、これらの化合物の代謝物の中には、甲状腺ホルモンとの構造類似性が見られることから、甲状腺ホルモン作用を撹乱する可能性が考えられる。そこで、プロム化難燃剤として、polybromodiphenyl ether(PBDEs)を取り上げ、甲状腺ホルモンレセプターと親和性をbinding assayおよびレポーターアッセイ系を用いて検討した。また、in vivoでの影響評価として、オタマジャクシからカエルへの変態を指標とした検討を行った。その結果、甲状腺レセプターに対して、代表的なプロム化難燃剤であるtetrabromobisphenol A(TBBPA)およびいくつかの水酸化PBDEsは強固に結合することを見出した。また、下垂体細胞GH3の増殖および成長ホルモンの分泌を促進し、アゴニスト作用が見られた。さらに、甲状腺ホルモンレセプターとの親和性の構造的要因を検討した結果、4位に水酸基および3、5位にプロム基が必須であった。一方、甲状腺ホルモンはオタマジャクシの変態を促進することが知られている。そこで、オタマジャクシからカエルへの変態(尾の短縮および手足の伸長)を利用して、これらの物質の甲状腺ホルモン撹乱作用を検討した結果、TBBPAおよびいくつかの水酸化PBDEsは甲状腺ホルモンによる変態の促進を著しく阻害した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Comparative study of aryl hydrocarbon receptor ligand activities of six chemicals in vitro and in vivo2007

    • 著者名/発表者名
      Sugihara, et. al.
    • 雑誌名

      Archives of Toxicology 82

      ページ: 5-11

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of environmental antiandrogenic chemicals on expression of androgen-responsive genes in rat prostate lobes2007

    • 著者名/発表者名
      Suzuki, et. al.
    • 雑誌名

      Journal of Health Sciences 53

      ページ: 401-405

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] The in vitro metabolism of a pyrethroid insecticide,permethrin,and its hydrolyzed products in rats2007

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, et. al.
    • 雑誌名

      Toxicology 235

      ページ: 176-184

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [学会発表] Thyroid hormonal and estrogenic activity of OH-PCB and OH-PBDE in cell culture2007

    • 著者名/発表者名
      Kitamura, et. al.
    • 学会等名
      DIOXIN 2007
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      20070902-07
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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