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2007 年度 実績報告書

新規病原因子SEp22のサルモネラ腸管透過性の調節による病原性発現機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18590126
研究機関大阪薬科大学

研究代表者

天野 富美夫  大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (90142132)

キーワード感染症 / サルモネラ / 腸管透過性 / マクロファージ / 細菌接着 / 細菌侵入 / 病原因子 / DPS
研究概要

本年度は、まず、サルモネラの増殖に伴うsep22遺伝子の発現の変化をRT-PCRで解析した結果、静止期で高い発現をしていたものが対数増殖期初期で急速に減少し、増殖に伴って再び漸増し、培養開始6-8時間後にピークとなり、その後やや減少した。これに対し、サルモネラのIII型分泌機構(TTSS)を構成する病原因子invAのmRNAは、静止期で低く、増殖に伴って対数増殖期初期で急激に上昇し培養開始1-2時間後にピークとなりその後減少した。このように、宿主への感染における攻撃因子であるinvAと宿主の免疫系からの攻撃に対する防御因子と考えられるsep22とは、菌の増殖期における発現変化が著しく異なることが明らかになった。一方、sep22遺伝子欠損変異株の1つ, KO-5株にsep22の遺伝子を導入したrevertantsの作成を試みたが、安定な形質変換を示す株を分離することができなかった。現在、異なるベクター系を用いて再度試みている。
次に、サルモネラのSEp22のタンパク質レベルでの発現誘導に関与する食品成分を解析した結果、LB培地、ウシ胎児血清、卵黄、キャベツ抽出物などに含まれる種々のタンパク質、ペプチドに活性が認められた。カゼイン分解物であるカサミノ酸からゲル濾過、HPLCなどによってさらに分析を行い、特定の分画に含まれるポリペプチドにSEp22の誘導活性が見られることが示された。
また、Caco-2細胞への接着性と侵入性において、SEp22タンパク質の発現の有無はあまり大きな差を示さなかったが、マクロファージへの感染では、接着はSEp22欠損変異株(KO-5)の方がやや高いものの侵入性は低かった。その原因を示唆するものとして、新たに、マクロファージ細胞表面でKO-5株の分裂が抑制されて繊維状に長くなり、細胞へ侵入できない像が観察された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Effects of capsaicin on cellular damage and monolayer permeability in human intestinal Caco-2 cells2007

    • 著者名/発表者名
      Tsukura, Y.
    • 雑誌名

      Biol.Pharm.Bull 30

      ページ: 1982-1986

    • 査読あり
  • [雑誌論文] サルモネラの環境中における生残性と病原性発現機構との関連2007

    • 著者名/発表者名
      天野 富美夫
    • 雑誌名

      J.Veterinary Med 60

      ページ: 589-590

  • [雑誌論文] カンピロバクターの酸素ストレス下での生残2007

    • 著者名/発表者名
      山崎 学
    • 雑誌名

      J.Veterinary Med 60

      ページ: 906-910

  • [学会発表] サルモネラの新規病原性関連因子SEp22のFenton反応の阻害に関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      田村 愛
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会・第80回日本生化学会合同大会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2007-12-14
  • [学会発表] サルモネラの病原性関連因子SEp22の発現に関わる栄養因子について2007

    • 著者名/発表者名
      丹田 雅明
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会・第80回日本生化学会合同大会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2007-12-13
  • [学会発表] サルモネラの環境分離株の活性酸素抵抗性と病原性関連因子SEp22の発現に関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      河田 真由美
    • 学会等名
      第57回日本薬学会近畿支部総会・大会
    • 発表場所
      高槻市
    • 年月日
      2007-10-27
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] サルモネラの病原性関連因子SEp22の発現に関わる栄養因子について2007

    • 著者名/発表者名
      丹田 雅明
    • 学会等名
      第54回日本生化学会近畿支部例会
    • 発表場所
      京都市
    • 年月日
      2007-05-19
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] サルモネラの環境中における生残性と病原性発現機構との関連2007

    • 著者名/発表者名
      天野 富美夫
    • 学会等名
      第143回日本獣医学会学術集会ワークショヅプ「微生物の生残戦略と病原性の関連」
    • 発表場所
      つくば市
    • 年月日
      2007-04-03

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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