研究概要 |
研究代表者においては昨年度の研究成果によって得られた知見を元に研究分担者(竹澤)から供給されたコラーゲンビトリゲル薄膜を用いて構築した正常ヒト樹状細胞(NHDC)を含む3次元培養ヒト皮膚モデルに皮膚感作性物質であるDNFB,DNCB,α-hexyl cinnamaldehyde(HCA),cinnamaldehyde,isoeugenol,giutalaldehyde及び非感作性物質であるDMSO,SDS,isopropanolを1時間暴露し、サイトカイン放出量及びCD86発現を測定した結果、感作性物質ではDNFB 0.5mmol/L,DNCB1mmol/L,HCA2mmol/L,isoeugenol6mmol/L,glutalaldehyde50mmol/L以上の濃度でサイトカイン放出量の有意な増加及びCD86発現増強が認められた。一方、非感作性物質ではCD86発現増強は見られず、SDSを除いてサイトカイン放出量の有意な増加も認められなかった。更に樹状細胞の代わりに正常ヒトメラノサイト(NHEM)を組み込んだ新しい皮膚モデルの構築も試みた。研究分担者(五十嵐)においては皮膚感作性についてin vitro試験法との比較のために、In vivo試験法のRIを用いないLocal Lymph Node Assay(LLNA)についてHCAをマウス耳介に塗布した後、耳介リンパ節を採取し、リンパ節細胞のATP量またはbromodeoxyuridineの取り込み量を測定し、被験物質群の対照群に対する増加率(SI)を測定した。
|