研究課題
基盤研究(C)
従来の突然変異を測定する方法は検出方法などの都合で測定結果にはバイアスがかかっていた。また、発現していない領域で起こる突然変異には適用できないという欠点があった。一方、RMC(random mutation capture)法は、ランダムに起こる自然突然変異を特定の標的遺伝子を使わずに測定する方法である。一方、始原菌は過酷な環境条件で棲息しており、その生存メカニズムやゲノムの安定性保持機構には興味がもたれる。そこでRMC法を、培養が難しい始原菌等のゲノムの自然突然変異測定に応用することを考えた。まず大腸菌を用いて条件検討を行った。大腸菌細胞の突然変異頻度は一般的に塩基当たり10^<-8>といわれており、文献的にゲノムDNA(120μg)から10^7〜10^8の標的DNAが回収可能とされている当該方法を用いても、検出感度ぎりぎりである。今年度の実験では、DNAの回収効率は10^4〜10^5であり自然突然変異の頻度を測定するには不十分であった。そこで、次年度は回収率の向上を目指し次の条件を検討する。(1)ブローブに用いるDNAの長さを約1000塩基対(1000kb)から、100-400bpにする、(2)制限酵素TaqI処理を60分-5回から30分-10回に変える、(3)自然突然変異頻度が野生株の約1000倍高いmutT変異株を用いる。その後、同じ条件で野生株の大腸菌の自然突然変異の測定、変異原性物質で処理した場合の自然突然変異の変化、さらに、始原菌のゲノムDNAについても自然突然変異を測定する。
すべて 2007 2006
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