研究課題/領域番号 |
18590137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
加藤 将夫 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (30251440)
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研究分担者 |
辻 彰 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (10019664)
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キーワード | トランスポーター / アダプター / タンパク質問相互作用 / 薬物動態 / 消化管吸収 / 薬効・毒性 / 生体膜透過 / 機能制御 |
研究概要 |
種々の臓器の細胞膜に発現するトランスポーター群は、医薬品の体内動態、薬効、毒性に深く関わっていることが知られており、近年の研究代表者らの検討から細胞内裏打ちタンパク質であるアダプター分子による制御を受けることが示唆されつつある。本研究は、アダプター分子であるPDZタンパク質(PDZK1およびPDZK2)によるトランスポーターの機能および局在制御のメカニズムと、トランスポーターやアダプターの薬物動態に及ぼす役割の解明を目的とし、本年度は以下に示す新たな知見を得ることができた。(i)PDZタンパク質であるPDZK1がorganiccation/carnitine transporter OCTN2と小腸刷子縁膜微絨毛で相互作用し、共局在すること。(ii)PDZK1の変異がトランスポーターOCTN1の細胞内局在に影響を与えること。<iii>PDZK1と同一の遺伝子familyに属するPDZK2が、腎臓刷子縁膜直下でOCTN2と共局在し、OCTN2の細胞膜上での発現量の制御に働くこと。(iv)Organic anion transporting polypeptide Bがヒト小腸上皮細胞Caco-2刷子縁膜でループ利尿薬の吸収方向の取り込みに働くこと。(v)ジおよびトリペプチドを取り込むoligopeptide transporter PEPT1が、βラクタム抗生物質cephalexinのL体に対するpeptidaseと機能的にカップリングすること。以上の知見は、経口投与された薬物の吸収臓器である小腸の上皮細胞において、各トヲンスポーター分子がアダプターであるPDZタンパク質と複合体を形成し、薬物の取り込み(吸収)に働くことを示唆するとともに、その機能が薬物の生体膜透過ばかりでなく、薬物代謝とも連関する可能性を示した。
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