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2007 年度 実績報告書

薬物動態制御因子としてのトランスポーターアダプターの役割

研究課題

研究課題/領域番号 18590137
研究機関金沢大学

研究代表者

加藤 将夫  金沢大学, 自然科学研究科, 准教授 (30251440)

研究分担者 辻 彰  金沢医科大学, 自然科学研究科, 教授 (10019664)
キーワードトランスポーター / 薬物動態 / アダプター / タンパク質間相互作用 / 生体膜透過 / 消化管吸収 / 小腸 / 刷子縁膜
研究概要

細胞膜裏打ちタンパク質PDZK1は,これまでの加藤らの検討から,多くの薬物トランスポーターの制御因子であることがin vitroで示されているが,in vivoでは実証されていなかった。そこで今年度は,PDZK1の遺伝子欠損マウスを用い,その役割の解明を試みた。欠損マウス小腸上部では,ペプチドトランスポーターPEPT1やカルニチントランスポーターOCTN2が刷子縁膜から消失し,PEPT1は細胞内にも局在が認められた。特に小腸上部では刷子縁膜に発現するトランスポーターの発現量も低下していた一方,小腸中部での発現量は,正常マウスとさほど違いがなく,小腸下部では細胞膜での局在にも違いがなかった。それぞれのトランスポーターの基質であるcephalexin と carnitineの消化管吸収は欠損マウスで遅延していた。これらの結果は,PDZK1が特に小腸上部において,PEPT1とOCTN2の細胞膜表面での局在に必須であることを示した。
群馬大学原田彰宏教授らの作成した低分子量GTP結合タンパク質Rab8の遺伝子欠損マウスでは,離乳後に栄養吸収不全が認められたことから,その原因を明らかにするため,反転腸管を作成し,トランスポーターによる刷子縁膜からの基質取り込み能を観察した。その結果,PEPT1の基質であるglycylsarcosine,グルコーストランスポーターSGLT1の基質であるalpha-methylglucoseの取り込みがRab8欠損マウスで,ほぼ完全に消失していた。免疫染色の結果,これらトラシスポーターの刷子縁膜での発現が消失しており,Rab8がPEPT1およびSGLT1の細胞膜表面での局在に必須であることが示された。
このようにPDZK1,Rab8ともに,-つの分子が複数のトランスポーターを制御することから,複数のトランスポーターがネットワークとして機能する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Transporter-mediated hepatic uptake of ulifloxacin,an active metabolite of a prodrug-type new quinolone antibiotic prulifloxacin in rats2007

    • 著者名/発表者名
      Yagi Y, Aoki M, Iguchi M, Shibasaki S, Kurosawa T, Kato Y, Tsuji A
    • 雑誌名

      Drug Metab Pharmacokinet 22

      ページ: 350-357

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Rab8 GTPase regulates apical protein localization in intestinal cells2007

    • 著者名/発表者名
      Sato T, Mushiake S, Kato Y, Sato K, Sato M, Takeda N, Ozono K, Miki K, Kubo Y, Tsuji A, Harada R, Harada A
    • 雑誌名

      Nature 448

      ページ: 366-369

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Asymmetric intestinal first-pass metabolism causes minimal oral bioavailability of midazolam in cynomolgus monkey2007

    • 著者名/発表者名
      Nishimura T, Amano N, Kubo Y, Ono M, Kato Y, Fujita H, Kimura Y, Tsuji A
    • 雑誌名

      Drug Metab Dispos 35

      ページ: 1275-1284

    • 査読あり
  • [学会発表] Functional Regulation of Intestinal Oligopeptide Transporter PEPT1 by PDZ domain-containing protein PDZK12007

    • 著者名/発表者名
      Kato Y, Sugiura T, Kubo Y, Wakayama T, Iseki S, Tsuji A
    • 学会等名
      Biomedical Transporters 2007 5th International Research Conference
    • 発表場所
      Bern,Switzerland
    • 年月日
      20070812-16

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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