研究課題/領域番号 |
18590139
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 金城学院大学 (2007) 三重大学 (2006) |
研究代表者 |
水谷 秀樹 金城学院大学, 薬学部, 准教授 (80397504)
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研究分担者 |
奥田 真弘 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (70252426)
平工 雄介 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30324510)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 薬物トランスポータ / 薬物腎排泄 / 抗がん剤 / イリノテカン / トポテカン / アポトーシス |
研究概要 |
抗がん剤であるI型DNAトポイソメラーゼ阻害薬のイリノテカン及びトポテカンの腎排泄機構を明らかにするため、培養細胞を用いた輸送実験、ラットを用いたクリアランス実験、並びに薬物トランスポータの遺伝子発現系細胞(hOAT1細胞、hOAT3細胞)を用いた薬物輸送の速度論的解析を実施した。 トポテカンのヒドロキシ酸体(A-TPT)のラット臓器取込みクリアランス(CL)は、腎臓≒肝臓>肺>小腸≒心臓>脳の順に高く、臓器特異的な分布を示すことが明らかになった。さらに、A-TPTの腎取込みには、腎特異的な有機アニオン輸送系の関与が示唆された。hOAT3細胞におけるA-TPTの輸送はvector細胞に比べ顕著に促進されたが、hOAT1細胞における輸送には変動が認められなかった。さらに、A-TPTの輸送はhOAT1細胞、hOAT3細胞ともに促進されなかった。これらの結果から、A-TPTの腎移行には少なくともOAT3が一部関与するものと考えられた。 イリノテカン、トポテカンによる臓器障害をアポトーシス誘導の観点から評価することについては、ヒト培養細胞HL-60およびHL-60由来で活性酸素種の1つである過酸化水素の耐性株であるHP100細胞を用いた。その結果、SN-38、トポテカンのアポトーシスには、過酸化水素が関与することが示唆され、イリノテカンのアポトーシス誘導機構の1つとして、イリノテカンによるDNA切断→細胞内H_2O_2の上昇→ミトコンドリア傷害→caspase-3の活性化→アポトーシス誘導に至る経路の存在が示唆された。 今後、さらにイリノテカン、トポテカンによる臓器障害をアポトーシス誘導の観点から評価し、臓器障害の検出法を確立し、Pharmacokinetics及びPharmacodynamicsの観点から臓器障害における薬物トランスポータの役割を検証する予定である。
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