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2007 年度 実績報告書

抗がん薬Paclitaxelによる末梢神経障害発症機構の解明および治療薬の探索

研究課題

研究課題/領域番号 18590145
研究機関鹿児島大学

研究代表者

山田 勝士  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 教授 (00037491)

研究分担者 武田 泰生  鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (60245462)
キーワード末梢神経障害 / 抗がん剤 / 副作用 / 痛み
研究概要

【背景】臨床上、抗がん剤paclitaxelの副作用として末梢神経障害や白血球減少症が高頻度に発生し、特に末梢神経障害は、用量規制因子であるため、患者QOLを著しく低下させることが問題となっている。今回我々は、paclitaxelによる末梢神経障害モデルラットを作製し、末梢神経障害のメカニズムを解明するために、モデルラットの後根神経節部位における網羅的遺伝子発現解析を行い、いくつかの発現変動遺伝子について検討した。
【方法】SD系ラット(200-300g)にpaclitaxel(8mg/kg)を腹腔内投与し、末梢神経障害モデルラットを作製した。末梢神経障害の行動学的評価は、von Frey式dynamic plantar aesthesiometer(Ugo Basile)による機械刺激試験並びにアセトン試験にて行った。末梢神経障害モデルラットの後根神経節における網羅的遺伝子発現解析は、Rat Genome 230 2.0を用いたクラボウDNAマイクロアレイ解析にて行った。また、後根神経節でのマトリックスメタロプロテアーゼ3(MMP3)発現はRT-PCR並びにウエスタンブロット法により検討した。
【結果・考察】今回作製したpaclitaxelによる末梢神経障害モデルラットの行動学的評価を機械刺激試験にて検討したところ、13日目から痛覚閾値の低下が認められ、28日目まで持続した。また、アセトン試験では6日目から逃避行動頻度の増加が認められ、28日目まで持続した。一方、体重の変動については、両群間で差は認められなかった。続いてpaclitaxelによる末梢神経障害モデルラットの後根神経節における網羅的遺伝子発現解析を行ったところ、MMP3やマクロファージ関連遺伝子の発現が増加していた。MMP3は細胞外マトリックス構造を分解する酵素で炎症の際に発現が増加することが知られる。したがって、paclitaxelによる末梢神経障害の発症にマクロファージやMMP3の集積が関与する可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Differential intracellular signaling through PAC1 isoforms as a result of alternative splicing in the first extracellular domain and the third intracellular loop.2007

    • 著者名/発表者名
      Ushiyama M., Yamada K. 他7名
    • 雑誌名

      Mol Pharmacol. 72

      ページ: 103-111

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of pre-treatment with St John's Wort on nephrotoxicity of cisplatin in rats.2007

    • 著者名/発表者名
      Shibayama Y., Takeda Y., Yamada K. 他9名
    • 雑誌名

      Life Sci. 81

      ページ: 103-108

    • 査読あり
  • [学会発表] Paclitaxelによる末梢神経障害ラットの脊髄後根神経節におけるmatrix metall oproteinase 3(MMP3)の発現亢進2007

    • 著者名/発表者名
      山田 勝士, 他6名
    • 学会等名
      第1回次世代を担う若手医療薬科学シンポジウム
    • 発表場所
      日本薬学会長井記念館
    • 年月日
      20071215-16

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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