研究課題/領域番号 |
18590156
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
林 正弘 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (20012669)
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研究分担者 |
富田 幹雄 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (60207610)
柳樂 眞友子 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (10349821)
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キーワード | 非侵襲的体内動態予測システム / 末梢血リンパ球 / mdr1a / mrp2 / bcrp / PXR / 感染症病態モデル / Lypopolysaccaride |
研究概要 |
本研究では、非侵襲的な方法による薬の体内動態、薬効・副作用の予測システムの開発を目指している。特に末梢血リンパ球に着目し、排泄型トランスポーターの網羅的遺伝子発現レベルとその調節機構を解明し、遺伝子レベルから体内動態、薬効・副作用の予測評価を目指している。今年度は、Lipopolysaccharide(LPS)投与による感染症病態モデルラットにおけるABCトランスポーターmRNA発現量およびPregnane X Receptor(PXR) mRNA発現量の変動を検討した。 Wistar/ST系雄性ラットにLPS(from Escherichia coli 0111:B4)の5mg/kgを腹腔内投与することで感染症病態モデルラットを作成した。投与群は、LPSの単回(単回)投与群、LPSの3日間連続(3日間)投与群、5日間連続(5日間)投与群の3群とした。それぞれの群における、末梢静脈血、回腸部および肝臓を採取し、それぞれのTotal RNAを抽出した。得られたTotal RNAを鋳型としcDNAを合成した。リンパ球中、回腸および肝臓でのmRNA発現量をリアルタイムRT-PCRにて測定した。3つのサンプルは全て同一個体からのものごとに、比較した。 LPS単回投与により回腸および肝臓におけるmdr1a mRNA発現量はCTRL群に比して低値を示した。この値はLPSの連続投与により回復傾向を示し、5日間投与においてはCTRLレベルに達した。一方、リンパ球中のmdr1a mRNA発現量はLPS単回投与によりCTRL群と比較し高値を示し、5日間投与群ではCTRLレベルに収束した。以上より、病態初期のリンパ球中のmdr1a mRNA発現の上昇は、回腸および肝臓でのmdr1a mRNAレベルの低下を補うための誘導と考えられる。この考察は、5日間投与群において、3つのサンプルのmdr1a mRNA量がCTRLレベルに収束したことから妥当であると言える。さらに、リンパ球中のPXRの挙動はリンパ球中のmdr1a mRNAの挙動と類似していることから、リンパ球中のmdr1a mRNAも核内レセプターに制御されていることが示された。 回腸におけるmrp2 mRNAおよびbcrp mRNA発現量を測定したところ、LPS単回投与によりCTRLに比して低値を示した。この値は、mdr1a mRNAレベルの挙動と同様に連続投与により回復傾向を示し、5日間投与においてはCTRLレベルに達した。リンパ球中のmrp2 mRNAの挙動はmdr1a mRNAの挙動と類似していたが、bcrp mRNA発現量に変動は見られなかった。 以上、mdr1aおよびmrp2の発現はリンパ球においても核内レセプターにより、制御されていることが示された。
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