研究課題/領域番号 |
18590156
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
林 正弘 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (20012669)
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研究分担者 |
富田 幹雄 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (60207610)
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キーワード | Lipopolysaccharide / 感染症 / ABC トランスポーター / 回腸 / 肝臓 / 末梢血リンパ球 / 核内レセプター / 腸管吸収 |
研究概要 |
ラットにLipopolysaccharide (LPS)を単回および3日間腹腔内連続投与後(感染症初期および感染症進行期)の薬物の吸収部位(回腸)と解毒排泄部位(肝臓)での比較を行った。その結果、LPSによる肝臓のP・gp/mdr-1のダウンレギュレーションにはIL-1βの発現およびそのレベルの維持が強く関与していることが示された。一方、正常ラット、感染症初期およびその進行段階におけるP・gp基質の腸管吸収および血中濃度推移、回腸管腔内への分泌および胆汁排泄クリアランスは、回腸および肝臓のP・gp/mdr-1レベルと高い相関があることが認められた。 以上の結果を踏まえ、ラット回腸、肝臓および末梢血リンパ球中ABCトランスポーターmRNA発現量を網羅的に解析した。その結果、感染症病態時におけるABCトランスポーターの発現および機能変動が、薬物療法時の副作用発現および薬剤耐性に影響を及ぼす可能性が示された。また、感染症初期段階において回腸および肝臓PXR mRNA発現量が低下し、感染症進行によりこれらのPXR mRNA発現量は回復した。 さらに、回腸および肝臓ABCトランスポーターのmRNAの発現変動がPXR mRNA発現変動と相関があることが示され、ABCトランスポーターの発現変動にPXRが関与する可能性が示された。さらに感染症初期段階において、末梢血リンパ球中PXR mRNA発現量より回腸ABCトランスポーターmRNA発現変動および肝臓mrp2 mRNA発現変動を予測できる可能性、および末梢血リンパ球中PXR mRNA発現量から、感染症病態時における回腸・肝臓P-gpおよび肝臓mrp2機能変動を予測できる可能性が示された。
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