研究課題
基盤研究(C)
心臓に分布する交感神経、即ち心臓神経の形態解明の研究を推進した。心臓神経は椎骨に接する交感神経幹から広範囲に亘り多数起こり、神経同士の結合が多く、走行が複雑であるので、内蔵直接伴行の迷走神経由来の心臓技よりも形態解明は困難である。とりわけ、ヒトの心臓神経は実験脊椎動物よりも形態が大きく、脂肪が多いので形態解明は至難である。本研究では、アルコールによる脱脂、アリザリン・レッドによる神経染色、そしてエチレン・グリコールによる血管形態明示という方法を開発し、心臓神経と心臓・血管の詳細な形態を広領域に解明した。そして、ヒトのみの固有観点ではなく、脊椎動物総合形態学と発生学的観点をも加えての全貌的意義付けを学会講演にて発表し、掲載された(第8回臨床解剖研究会と第16回日本末梢神経学会)。又、心臓枝と心臓神経の形態に関する国際学術雑誌の投稿原稿を加筆・修正している。形態形成に関しては、マウスとラットよりもヒトの形態に近いジャコウネズミにおいて、心臓神経の形態と形態形成解明を全胚免疫染色を用いて行い、成果を第110回日本解剖学会で発表し、国際学術雑誌投稿準備中である(博士課程学生の提出論文)。ジャコウネズミ肝臓の発生と臨床医学的意味(Endoclinology 2004:Aant.Enbryol.2004)と口蓋帆挙筋分布神経と下顎神経の形態についても解明した(Clin Anat 2004;Surg Radiol Anat2004)。肝鎌状間膜と肝円策、そして臍ヒダ経由の肝臓実質に分布する動・静脈と神経の形態と形態形成、そして胸骨剣状突起周囲のリンパ管と肝臓との関係解明をヒトとジャコウネズミにおいて行い、発生学意義の再検討と臨床医学との連携を深めている。又、骨異常の測定・診断と治療方法の解明の共同研究と頭・頚の筋形成に関しての分子組織化学的研究を進めている。
すべて 2006
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World Journal of Gastroenterology 12 (14)
ページ: 2209-16
Bone
臨床解剖研究会記録 6
ページ: 14-15