研究課題/領域番号 |
18590169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小林 家吉 九州大学, 大学院・歯学研究院, 准教授 (40243951)
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研究分担者 |
坂井 英隆 九州大学, 大学学院歯学研究院, 教授 (80136499)
清島 保 九州大学, 大学学院歯学研究院, 助教 (20264054)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 発生学 / 形態形成学 / 歯胚 / ノックダウン法 / Thymosin beta4 / Nucleolin / アンチセンス核酸法 / Runx2 |
研究概要 |
本研究は、歯胚発生過程におけるThymosin beta4(Tβ4)の役割を明らかにすることを目的とした。マウス胎生11日齢(E11.0)下顎・E15.0歯胚の器官培養下、アンチセンス・オリゴ法を用いてTβ4遺伝子発現のインヒビションアッセイにより機能解析を行った。さらに、歯原性上皮細胞を用いて、同様に機能解析を行った。器官培養下Tβ4の機能解析の結果、E11.0歯胚上皮の陥入が障害され、E15.0歯胚では象牙質・エナメル質形成障害がみられた。これより、Tβ4は歯胚上皮の陥入と象牙質・エナメル質形成への関与が明らかとなった。さらに、歯胚上皮細胞を用いた同実験を行い、mRNAの定量解析の結果、matdx metalloprotoinase(MMP)-2/-9、Nucleolinおよび歯原性因子に有意な発現低下を示した。歯原性細胞を用いたin vitroの結果より、Tβ4はMMP-2/-9、Nucleolinの発現に関与しており、Tβ4は歯胚発生過程においてこれらの因子のレギュレーターと推察する。今後、研究成果を論文にまとめる予定である。 同様にNudeolinの機能解析も行った結果、下顎器官培養8日目までエナメル器形成を認めなかった。歯胚発生過程におけるPhosphoglycerate kinase 1(Pgk1)の発現分布についても検索した結果、歯胚上皮および間葉組織に特徴的な発現様式がみられた。また、歯胚において本来の分子量のPgk1とは別にglyceraldehydes-3-phosphate(GAPDH)高分子複合体を形成していることが明らかであった。これより、複合体形成により歯胚形成に関与していることが示唆された。この研究成果は、Journal of Biological ChemistryとHistology and Histopatholoty誌上に発表した。
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