(1)マウスSoxl7遺伝子は、初期発生過程において、腸原基などの内胚葉由来細胞に特異的に発現していること、(2)Soxl7欠損マウスは、中、外胚葉組織の発生は正常であったが、胞子内胚葉の特異的な欠損により腸原基形成不全を示し、10.5日齢までに胎生致死になること、(3)キメラ解析により、Sox17欠損ES細胞は、外、中胚葉組織に高頻度に寄与するが、腸管へ派生すべき内胚葉への分化が誘導されず、宿主由来のSox17+/+細胞により構成されることを明らかにした。Sox17遺伝子ノックアウトフウスが腸管形成不全を生じるもののヽ一部の上皮細胞が遺残、索状構造を呈し、9.5日胚の遺残細胞には、生殖細胞が停滞している形態像を観察した。そこで、CAG-GEFP胚盤胞にSox17-/-E S細胞をinjectionし、キメラ個体作出した。得られた治子をOCT compound包埋しその切片作成、観察を行った。作成した切片はPGC7 (始原生殖細胞マーカー)または、AP抗体と二重染色することで細胞固定を行った。これらの観察結果から少なくともSox17欠損ES細胞が生殖細胞へと分化し、前期の異常は腸管細胞による影響である事を証明した。
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