• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

LHRH誘導体が性腺刺激ホルモン産生細胞の微細構造に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 18590177
研究機関旭川医科大学

研究代表者

渡部 剛  旭川医科大学, 医学部, 教授 (80220903)

キーワード下垂体前葉 / LHRH誘導体 / 性腺刺激ホルモン産生細胞 / leuprorelin / 粗面小胞体 / ゴルジ装置 / 電子顕微鏡 / ホルモン療法
研究概要

前立腺癌等に対するホルモン治療薬として実用化されているLHRH誘導体は持続的投与することで性腺刺激ホルモン分泌を強く抑制する。本研究では、このLHRH誘導体の持続投与によって生じる性腺刺激ホルモン産生細胞の変化を微細構造と機能の両面から検討しており、平成19年度までに、LHRHアゴニストであるleuprorelinがアゴニスト作用とLHRH受容体の不応化誘導の相乗作用で同細胞からの性腺刺激ホルモン分泌を強力かつ効率的に抑制すること、および、leuprorelinが性腺刺激ホルモン産生細胞の微細構造に与える影響が可逆的であることを明らかにした。
この研究成果を踏まえて、平成20年度にはさらに、ホルモン生合成及び修飾の場である粗面小胞体やゴルジ装置に対するleuprorelin持続投与の影響も視野に入れて検討した。その結果、leuprorelin徐放性製剤を投与開始1日後から4日後までの間に、性腺刺激ホルモン産生細胞内では、粗面小胞体が核膜から伸展して増生し網状の塊を形成し、同時にゴルジ装置の層板が断片化する像が頻繁に観察された。これらの所見は同剤投与開始から7日後までに消失し、以降は同剤の効力が失われる28日間後まで、対照群と比較してゴルジ装置、粗面小胞体の発達は悪かった。以上の所見より、LHRHアゴニストであるleuprorelinが早期効果で性腺刺激ホルモン産生細胞を過剰に刺激する時期には、一過性に分泌蛋白合成の場である粗面小胞体の量を増やす細胞内応答が起こり、その結果ゴルジ装置への膜供給が一時的に不足することが示唆された。以上の研究結果は、研究発表欄に記載した学会(日本解剖学会・第114回全国学術集会, 2009年3月、岡山)のシンポジウムで報告した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 内分泌細胞における分泌穎粒形成機構2008

    • 著者名/発表者名
      渡部剛, 他
    • 雑誌名

      顕微鏡 43

      ページ: 29-34

  • [雑誌論文] A large form of secretogranin lll functions as a sorting receptor for chromogranin A aggregates in PC12 cells2008

    • 著者名/発表者名
      HanL., et.al.
    • 雑誌名

      Mol Endocrinol 22

      ページ: 1935-1945

    • 査読あり
  • [学会発表] 実験内分泌学的アプローチを活用した細胞内過程の解析2009

    • 著者名/発表者名
      渡部剛, 他
    • 学会等名
      日本解剖学会第114回全国学術集会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2009-03-28

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi