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2006 年度 実績報告書

胸腺選択におけるCDR3鎖長の短鎖化を引き起こす要因を探る

研究課題

研究課題/領域番号 18590178
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

尾形 雅君  東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (50311907)

研究分担者 伊藤 恒敏  東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90004746)
キーワードTリンパ球 / T細胞受容体 / 選択 / 分化 / 胸腺
研究概要

自己・非自己の認識に関わるT細胞受容体(TCR)の抗原特異性は、主にペプチド結合部位である相補性決定領域3(CDR3)により担われている。近年、胸腺T細胞の分化に伴いそのCDR3の長さに変化(短鎖化)が起きるという興味深い事実が明らかになってきた。しかし、何故そのような変化が起こるのかは不明である。本研究課題では、我々の予備的実験から得られたVβ鎖におけるCDR3の短鎖化をより詳細に解析し、同時にva鎖で同様なCDR3の短鎖化か観察されるかを調べ、CDR3長の短鎖化を引き起こす要因を明らかにする。
本年度は、当初の計画に従い、異なるMHCを有するマウスを用いてTCRβ鎖のCDR3長を網羅的に解析した。C57BL/6(H-2b)、Balb/c(H-2d)およびC.BIOマウス(Balb/cbackground、H-2b)から分離した胸腺T細胞亜群を用いて実施した。その結果から、(1)CD4+CD8+細胞からCD4+CD8-およびCD4+CD8-細胞の分化過程でCDR3長が短くなる、(2)CDR3の短鎖化の程度はVβ鎖間で差がある、(3)相同性の高いVβ鎖では同じ程度の短鎖が起こることを明らかにした(Molecular Immunology,44,2378-2387)。さらに、新たにTCRa鎖におけるCDR3長の解析法を確立するため、遺伝子増幅に必要なva鎖特異的primerのデザインとそのPCR条件を検討した。さらに、少数のサンプルを用いた検討を行い、29種のva鎖primerが適用可能であることが分かった。
次年度は、多数のサンプルを用い、29種のVα鎖すべてについて、胸腺T細胞亜群のCDR3長解析を進める予定。同時に、得られたva鎖およびVβ鎖の詳細なデータからMHCやV segment等の要因がどの程度CDR3の短鎖化に影響するかを分析し、短鎖化を引き起こす要因を推測する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Comparison of CDR3 length among thymocyte subpopulations : Impacts of MHC and BV segment on the CDR3 shortening2007

    • 著者名/発表者名
      Takaji Matsutani
    • 雑誌名

      Molecular Immunology 44

      ページ: 2378-2387

  • [雑誌論文] Alteration of T-cell Receptor Repertoires During Thymic T-cell Development2006

    • 著者名/発表者名
      Takaji Matsutani
    • 雑誌名

      Scandinavian Journal of Immunology 64

      ページ: 53-60

  • [雑誌論文] 胸腺選択におけるT細胞受容体レパトアとCD3長の変化2006

    • 著者名/発表者名
      松谷 隆治
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Lymphology 29

      ページ: 32-35

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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