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2006 年度 実績報告書

糖蛋白品質管理選別輸送におけるカルゴ動物レクチンVIP36機能の超微形態学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 18590182
研究種目

基盤研究(C)

研究機関山梨大学

研究代表者

嶋田 修  山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助教授 (80196477)

キーワードVIP36 / 動物レクチン / ゴルジ装置 / 小胞体 / 品質管理 / 選別輸送 / 電子顕微鏡 / カベオラ
研究概要

動物レクチンVIP36は、高マンノース型糖鎖を特異的に認識する、一回膜貫通型レクチン蛋白である。今回の研究を通して、このVIP36は糖蛋白質だけではなく、特に、フォスファジールイノシトールの1種であるSD1a等の糖脂質の品質管理選別輸送におけるカルゴ動物レクチンVIP36機能の超微形態学的解明を可能にすることができた。今回得られた新しい所見の中には、細胞のゴルジ装置、並びに、ゴルジ装置以降の細胞膜周辺領域においては、このVIP36が3種の異なる立体構造を有し、そのうちの1種が、特にシスーゴルジ装置以降のルートにおいて、二量体を中心とする多量体を形成してくることを見い出した。一方、他のタイプのVIP36は、上記に示したタイプのVIP36とは異なり、一量体のままでゴルジ装置を通過した。この一量体のままゴルジ装置を通過するVIP36はゴルジ槽の両端に多く、主としてゴルジ槽の中心部を中心に分布している多量体を形成するタイプのVIP36とは異なった微細形態上の分布を示した。
以上の結果から、細胞のゴルジ槽には、ゴルジ装置を順行するVIP36と逆行するVIP36の分子があり、抗体によって、特異的に選別できることがわかった。抗体は、VIP36の特定のエピトープとして特異的なアミノ酸配列のみを認識しており、VIP36分子を特異的に分離した。以上のことから、我々が主張するこれら3種のVIP36の違いは、VIP36分子の立体構造そのものの違いによるものであり、山下等の報告とは異なる見解であった。これらの抗体を用いた免疫沈降法により、この2量体を形成するタイプのVIP36はERにおいて分子シャペロンと結合していた。また、細胞膜周囲のカベオラ周囲にも、このタイプのVIP36が存在しており、細胞膜の周囲領域まで、VIP36が輸送体としての機能をしていることが観察された。VIP36は細胞外膜部にはまったく認められず、ER、ERGIC (ER-ゴルジ中間体)、ゴルジ装置、細胞膜周囲、カベオラの周囲、エンドソームに存在していた。これらの分布は、このレクチンが、カベオラ内に取り込まれた糖蛋白、糖脂質を細胞内に輸送する可能性を強く示唆した。総括すると、動物レクチンVIP36は、ER、ゴルジ装置、細胞膜周辺領域を含む細胞内移動とともに、三次元立体構造の異なる分子タイプを相互に変化させながら移動していることを示す結果となった。
上記に記載した結果の一部は、第20回IUBMBおよび第11回FAOBMBの国際学会ならびに米国における第46回細胞生物学会にて報告し、国際的な評価を得た。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Heterogeneous distribution of VIP36 in the endoplasmic reticulum and Golgi apparatus or rat hepatocytes2006

    • 著者名/発表者名
      Osamu Shimada, Sen Takeda
    • 雑誌名

      Mol. Biol. Ce11(suppl.) 17

      ページ: L75

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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