研究概要 |
研究内容 循環動態に重要な遺伝子(本研究では特にカルシウムチャネル)の遺伝子過剰発現マウス、および改変マウスを作製、その循環動態の表現型解析システムを確立した。さらに電位依存性カルシウムチャネルをターゲットとして、心肥大のメカニズム、およびその治療法に関し、新たなカスケードを見出した(Ohba et al., BBRC., 2008)。 成果 遺伝子改変動物の作製・解析を着実に遂行した。 カルシウムチャネルβ3過剰発現マウスを作製し、下記循環器系解析の基礎を確立した。 1. 直接血圧の測定と薬理学的解析 2. 心超音波検査と薬理学的解析 3. テレメトリー心電図による心拍変動の解析 4. ランゲンドルフ心による心ポンプ機能評価 5. 心房筋収縮による薬理学的評価 6. 単離心筋細胞における電位依存性カルシウムチャネルの電流測定 7. 心筋における各種遺伝子発現、タンパク発現の検討 8. 交感神経の細胞体がある上顎神経節を単離し、電位依存性カルシウムチャネルの電流の変化や遺伝子発現の検討 業績について カルシウムチャネルβ3過剰発現マウスを作製し、β3が交感神経におけるN型カルシウムチャネル数を増すことにより、交感神経トーヌスを亢進することを示した(Murakami et al., JBC 2008)。さらにP/Q型チャネルの遺伝子変異を用いて、交感神経系制御が主にN型チャネル、一部P/Q型チャネルで規定されることを示した(Ohba et al., BBRC., 2009)。
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