研究課題/領域番号 |
18590204
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
浦野 哲盟 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50193967)
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研究分担者 |
最上 秀夫 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90311604)
井原 隼人 浜松医科大学, 医学部, 助手 (00223298)
鈴木 優子 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20345812)
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キーワード | 血栓形成 / 生体内顕微鏡 / von Willebrand因子 / ADAMTS13 / 血栓性血小板減少性紫斑病 / 血小板 / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
本研究では生理的血流状況(ずり応力下)での血栓形成の制御機構を明らかにする為に、血小板の粘着・凝集とPS発現に着目して生体内で血栓形成過程をリアルタイムに解析している。高ずり応力下において'は、接着蛋白であるvon Willebrand Factor(vWF)は高次構造が変化し血小板と内皮下のコラーゲンの粘着を仲介するとされる。我々はvWF切断酵素(ADAMTS13)遺伝子欠損マウスと緑色蛍光蛋白発現遺伝子変異マウスのhybridoma(GFP-ADAMTS13^<-/->)を作成し、血管内皮細胞のWeibel Parade小体(W-P body)より分泌されるUltra large multimer vWFの血栓形成に及ぼす影響を検討した。野生型GFPマウスと比較して、GFP-ADAMTS13^<-/->では血管内皮細胞より数珠状につながる粘着血小板を多く認めた。形状よりvWF multimerに粘着したGFP-血小板と考えられる。vWF分泌刺激として知られるDDAVP投与より血小板粘着vWFは増加した。多くは短時間(10-20分)で消失したが、脱水あるいはストレス負荷を加えることにより微小血管の閉塞像も認められた。ADAMTS13の活性低下等により播種性に血小板血栓が形成され血栓性血小板減少性紫斑病を惹起するとされる。これまでコラーゲンに粘着したvWFのADAMrs13による分解のみが注目されていたが、血管内皮から分泌されたultra large multimerもADAMTS13依存性に分解される事が明らかとなった。これよりvWFの急激な分泌増加は血小板凝集及び血栓形成の引き金になると考えられた。今後は分泌直後のultra large multimerに粘着した血小板が、どのような機序で消失するか、また逆にどのような刺激が加わると血栓形成の基盤となるべく活性化されるかをずり応力の異なる動静脈で検討し、血栓形成機構におけるその役割を解析する。
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