研究課題/領域番号 |
18590211
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋学芸大学 |
研究代表者 |
久場 健司 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (60080561)
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研究分担者 |
久場 雅子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 准教授 (90351212)
日暮 陽子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 助教 (30325633)
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キーワード | ミトコンドリア / 滑面小胞体 / カルシウムイオン / 脱共役 / Ca^<2+>誘起性Ca^<2+>遊離 / 容量性Ca^<2+>流入 / ノルアドレナリン / 褐色脂肪細胞 |
研究概要 |
ラットの培養した褐色脂肪細胞に冷却CCDカメラによるイメージング法を応用し、(1)細胞質内Ca^<2+>濃度、(2)ミトコンドリアの膜電位、(3)Flavo蛋白の酸化還元、(4)カメレオンのFRETによる滑面小胞体内のCa^<2+>濃度変化を測定し、以下の実験結果が得られた。 1)FCCPによるミトコンドリアの脱共役作用により、ミトコンドリアからのCa^<2+>遊離、細胞膜でのCa^<2+>の流入の活性化、滑面小胞体(ER)からのCa^<2+>誘起性Ca^<2+>遊離によるCa^<2+>遊離の活性化、Ca^<2+>遊離によるERのCa^<2+>の枯渇による容量性Ca^<2+>流入の活性化が起こる。 2)ミトコンドリアからのCa^<2+>遊離の経路は、Na^+非依存性のCa^<2+>透過経路の可能性が高い。 3)ミトコンドリアの脱共役作用による細胞膜でのCa^<2+>の流入は、ミトコンドリアの再分極とATP合成の再開に連関している。 4)ミトコンドリアからのCa^<2+>遊離によるERでのCa^<2+>誘起性Ca^<2+>遊離は、ミトコンドリアからの遊離されたCa^<2+>によるフォスフォリパーゼCの活性化により産生されたIP_3の作用下で起こる。 5)ERのCa^<2+>ポンプ抑制によるCa^<2+>遊離により、ミトコンドリアでのCa^<2+>の取り込みかCa^<2+>誘起性Ca^<2+>遊離が起こる。 6)ノルアドレナリンのα作用は、ERからのCa^<2+>遊離と容量性Ca^<2+>流入を活性化し、ミトコンドリアでのCa^<2+>の取り込みかCa^<2+>遊離を起こす。 7)ノルアドレナリンのβ作用は、ミトコンドリアの脱共役作用を介して、ミトコンドリアからのCa^<2+>遊離、細胞膜でのCa^<2+>の流入、ERからのCa^<2+>遊離、ERのCa^<2+>の枯渇による容量性Ca^<2+>流入の活性化を起こす。 以上の結果から、ミトコンドリアとER間でCa^<2+>を介する双方向の機能連関機構の存在が示唆された。
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