研究課題/領域番号 |
18590212
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
田中 永一郎 久留米大学, 医学部, 助教授 (80188284)
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研究分担者 |
西 芳寛 久留米大学, 医学部, 講師 (20352122)
村井 恵良 久留米大学, 医学部, 講師 (40322820)
東 英穂 久留米大学, 医学部, 教授 (10098907)
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キーワード | 扁桃体 / 内側核ニューロン / 性差 / アンドロゲン受容体 / 内向き整流 / 後脱分極 / EPSP / IPSP |
研究概要 |
齧歯類の中枢神経系では神経核の大きさや神経細胞数に性差があることが知られている。扁桃体内側核は雄のほうが雌より大きく、細胞数も多い、さらに樹状突起幹部に終わる幹シナプスが棘突起シナプスより多く形成される。平成18年度は以下の実験を行った。 1)扁桃体内側核ニューロンの静的、動的膜特性 C57BL/6マウスの雄および雌の扁桃体内側核を含むスライス標本を作製し、2MK acetateを封入したガラス電極を用いて、細胞内記録を行った。静止電位は-60〜-70mVで、過分極性矩形波通電を行うと静止電位より過分極側で、時間依存性内向き整流性がみられた。脱分極性矩形波通電を行うと、閾値-60mV付近でスパイクの発生がみられ、スパイクに引き続き脱分極電位がみられるニューロンとみられないニューロンがあった。脱分極性矩形波通電時間を延長すると、スパイクは2〜3発続いて発生するが、その後は膜電位の振動のみで、矩形波通電後に通電前の膜電位より一過性に過分極することから、スパイク発生時に流入するCa^<2+>あるいはNa^+に依存性の過分極電位が推測された。 2)扁桃体内側核ニューロンの興奮性および抑制性シナプス電位 扁桃体基底外側核に双極電極を留置し、局所電気刺激を行うと、興奮性シナプス性後電位(EPSPs)がみられた。EPSPsは刺激強度を増すと振幅は増大し、活動電位が重畳することから興奮1生と考えられた。膜電位を過分極側(-85mV)に移行させると、EPSPsの振幅は増大し、持続時間は短縮を示すことから、NMDA型およびAMPA型グルタミン酸受容体が関与するものと思われた。膜電位-55mVでも過分極性シナプス後電位がみられないので、抑制性シナプス後電位は混在しないと考えられる。 問題点)アンドロゲン受容体ノックアウト(ヘテロ型)雌マウスのバックグラウンドをC57BL/6マウスに近づけようと、C57BL/6と交配させたが、新生児を食殺する場合が多く、ノックアウトマウスの繁殖に苦慮している。
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