研究課題
基盤研究(C)
雌雄のウィスター系ラットを実験に用いる。性腺の摘除および性腺ステロイドホルモンの処置は実験の2週間前に行い、20%17β-estradiol封入チューブ(体重250gあたり15mm)、100%testosterone封入チューブ(体重250gあたり30mm)を背側皮下に植え込み、2週間後に実験を行った。In vivo microdialysis実験はペントバルビタール麻酔下で、脳定位固定装置を用いて背側海馬にガイドカニューラを植え込み、固定した。実験前日に、microdialysis用プローブ(Eicom Co.外径0.31mm)をガイドカニューラを介して、背側海馬に刺入した。人工脳脊髄液を1.2μl/分の流速で環流しながら自由行動状態を維持し、翌日からin vivo microdialysis実験を行い、20分ごとに24時間以上連続して脳内環流液の採取とAChの定量を続けた。同時に、各ラットの自発行動量をACTMONITORを用いて数値化し、ACh分泌量との相関解析も行った。その結果、雄性におけるtestosteroneや雌性における17β-estradiolは、ACh分泌量と自発行動量の相関を維持することが判明した。また、この相関は背側海馬のCA1領域で特に顕著であることが判明した。CA3やDG領域でも正の相関は得られたが、CA1領域と比べて有意に低かった。次に、海馬各領域におけるAChの作用をニューロン・シナプスレベルで検討するため、急性スライスを作成した。氷冷したコリンバッファーによる環流を行い、速やかに脳を取り出した。厚さ300μmの海馬体を含む冠状断切片をバイブラトームで作成し、人工脳脊髄液で切片を環流した。パッチクランプ法で50μMのカルバコール(ACh agonist)に対する影響を検討したところ、カルバコールはCA1錐体細胞に特異的にAMPA受容体を介した自発性EPSCを有意に増加させることが判明した。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件)
Endocrinology 149
ページ: 802-811
Physiology and Behavior 93
ページ: 553-559
Toxicology and Apphed Pharmacology 226
ページ: 192-198
ページ: 802-11
Toxicol Appl Pharmacol 226
ページ: 192-8
Physiol Behav 93
ページ: 553-9