研究課題
ウレタン・クロラロース麻酔したラットの呼気ガスをガス分析器に導き、熱産生の指標である酸素消費率を経時的に測定した。深部体温の指標として結腸温度、皮膚温度の代表として尾皮膚温を記録した。同時に四肢より心電図を導出し心拍数を測定した。ラットは脳定位固定装置に取りつけ、三連ガラスピペットを用いて圧微量注入法により発熱の脳内メディエータであるPGE_2、抑制性伝達物質であるGABA,GABA_A受容体拮抗薬であるbicucullineとgabazine、GABAA受容体作動薬であるムシモール溶液を20-100nl局所投与する下記の実験を行った。終板器官周囲部にPGE_2を57fmol-2.8pmol投与すると熱産生、頻脈、体温上昇、皮膚血管収縮反応が誘起され、前三者はPGE_2の用量依存性に反応が大きくなった。同じ部位にbicucullineやgabazineを5-20pmol投与してもPGE_2と同様の反応がおきた。同部位にムシモールを前投与しておくとPGE_2によって誘起される反応が阻止された。ムシモールの溶媒である生理食塩水を前投与してもPGE_2によって誘起される反応には影響しなかった。これらの結果から終板器官周囲部でのPGE_2による発熱作用はこの部位でのGABA放出抑制を介している可能性が示唆された。
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Am J Physiol Endocrinol Metab 294
ページ: E600-E606