研究課題/領域番号 |
18590240
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
寺下 謙三 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00163915)
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研究分担者 |
松岡 正明 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (70222297)
千葉 知宏 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60398617)
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キーワード | アルツハイマー病 / 神経細胞死 / コリベリン / 脳萎縮 / ヒューマニン |
研究概要 |
老齢人口の約2.5%が罹患しているとされるアルツハイマー病(ア病)の正確な原因は不明であり、現在早期診断法や予後を好転させる治療法は殆どない。私達は、ア病患者後頭葉よりクローニングされたア病関連神経細胞死抑制ペプチド、ヒューマニン(HN)に注目し、その受容体を解析した結果、HN細胞膜受容体がIL-6受容体群に属し、WSX-1/CNTFR/gp130の3量体からなることを発見した。HN受容体を介したHN作用は生体内においてア病発症を制御している可能性が高く、HN受容体機能の解析はア病病態解明および治療薬開発に重要なブレイクスルーをもたらす可能性を秘めている。 本研究では、1.HN受容体の機能の解析、2.脳萎縮を伴うモデル動物の作成、3.内因性HNおよびHN用分子の同定、4.HNおよびHN誘導体の前臨床試験を実施した。本研究の結果、強力なHN誘導体、コリベリンをア病モデルマウスTg2576の鼻腔内に投与することによって記憶障害が改善されることを見いだした。また、この際に私達の同定したHN受容体を介するシグナルが活性化されていることも確認した。さらに本研究において作成したHN受容体欠損ア病モデルマウスは、これまでに例数が少なく、予備的なデータではあるが、記憶障害が促進されていた。
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