研究課題/領域番号 |
18590241
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
呉林 なごみ 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50133335)
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研究分担者 |
中里 祐二 順天堂大学, 医学部, 教授 (30266035)
村山 尚 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10230012)
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キーワード | 不整脈 / 心房細動 / Ca^2+オーバロード / alternans / 伝導障害 / 活動電位 / カルシウム / コネキシン |
研究概要 |
心房細動の発生部位には多くの種類の細胞が集まるため、その不整脈発生機序の研究は他の部位に比べても特に難しい。我々は、不整脈発生部位の細胞活動の可視化を中心にして本研究を開始した。本研究では3つの目標を設定し、相対的にはやや単純な系である心室筋と比較しながら研究を行った。一つ目の目標は、心房の不整脈発生部位の細胞活動の可視化である。Ca^2+と膜電位シグナルを指標に組織中の細胞活動を画像として捕らえた。心房細動の好発部位の細胞は他の心房筋とも異なる形状をしていた。心房筋中の細胞は、高頻度刺激により、種々の異常、すなわち活動電位の伝導障害によるaltemans(交代現象)や、興奮収縮連関の異常によるCa^2+ altemansを示し、心室筋細胞との多くの違いが組織において明らかになった。同様の方法を用い拡張型心筋症マウス心筋の悪性不整脈発生機序の研究も可能になった。これらの結果は国内外の学会で発表している。第二は不整脈発生の原因蛋白の同定である。抗体染色やリアルタイムPCR、特異的プロッカーによる検討から、コネキシン43、電位依存性Kチャネル、内向き向き整流性Kチャネル、T型Caチャネルの変化が、不整脈を起こす原因と考えられた。第三は原因蛋白の過剰発現や発現抑制による症状の再現である。アデノウィルスベクターを用いた蛋白発現を、コネキシン43をモデルに用い単離心筋に発現することに成功した。Ca^2+過負荷と共にコネキシンや他の蛋白がどのような挙動を示すか、引き続き行いたい。また、薬による制御を、各クラスの抗不整脈の効果を張力およびイメージングにより検討した。Naチャネル阻害薬に抑制効果が見られた。
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