研究課題/領域番号 |
18590241
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
呉林 なごみ 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50133335)
|
研究分担者 |
中里 祐二 順天堂大学, 医学部, 教授 (30266035)
村山 尚 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10230012)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
キーワード | 不整脈 / Alternans / Ca^<2+>オーバーロード / コネキシン / 伝導障害 / 活動電位 / カルシウム / 心房細動 |
研究概要 |
心房細動は血栓や心不全など生命の危機を引き起こす疾患であるが、まだ治療法が確立していない。不整脈の発生機序として、異所性自動能、リエントリ、伝導障害など、様々な要因が提唱されているが、どれも明らかではない。心房には心筋細胞、血管平滑筋細胞、内皮細胞、線維芽細胞などが混在しているので、不整脈の発生メカニズムを解明するためには、それらの細胞活動を可視化して解析することが良い手段と考えられる。本課題では、心房組織における種々の細胞の活動を可視化して、心房細動の発生機構を検討した。 ブタ、あるいはモルモット心房筋を切り出し、Rhod-2またはDi-4-ANEPPSを負荷してその2次元蛍光シグナルを共焦点顕微鏡により取得した。その結果、心房筋は心室筋と比べ、下記の際立った特徴があり、それらが不整脈の発生機序に関わると考えられた。(1)ほとんどの心房筋では、Ca^<2+>waveは活動電位の発生とともに出現した。これらのCa^<2+>waveは、心室筋のような遅延後脱分極(DAD)ではなく、早期後脱分極(EAD)に関与すると考えられた。このwaveの発生の違いはT管の有無によるためではないかと考えられた。(2)大部分の心房筋は、細胞間ではなく細胞内でのCa^<2+>alternans現象を示した。興奮収縮連関のカップリング機構が心室筋より悪いことが考えられる。Alternans現象は興奮伝導に影響するので、この現象は心房でリエントリー起きやすいことを示唆すると考えられる。(3)ここで開発した方法は、心室筋にも適用でき、不整脈研究にたいへん有用であることが分かった。
|