研究課題
基盤研究(C)
1.様々な臓器組織の発生におけるFRS2alpha-Shp2 pathwayの解析Shp2結合部位欠失FRS2alpha変異マウスは、心奇形を始めとするDeGeorge症候群と一致する表現形を持ち、神経堤細胞の異常が原因であることがわかった。神経堤細胞は、神経管の周囲より発生する幹細胞を起源とする細胞で、様々な組織へ遊走し、様々な組織の構成成分となるユニークな細胞群である。このことは、神経堤細胞を用いた再生医療が可能になれば、いろいろな疾病の治療に役立つことを示す。2.初期発生における胎盤幹細胞及び内部細胞塊の未分化性維持機構についての解析FRS2alpha変異マウスを解析した結果、転写因子Cdx2が、胚盤胞内胎盤幹細胞内でBmp4の発現を直接転写レベルで誘導することにより、分泌誘導され、ES細胞を含む内部細胞塊の増殖を維持していることが明らかになった。3.神経幹細胞の未分化性維持の分子機構の解析FRS2alpha分子が、神経幹細胞の培養系で未分化性を維持することを見いだした。FRS2alpha分子を神経幹細胞に導入すると、増殖が促進されるとともに、未分化性がよりよく維持される。その分子機構を詳細に調べたところ、FGF刺激によって、FRS2alphaの下流で、Hes1遺伝子の転写が活性化することにより、Hes1分子が十分量作られることが重要であることが明らかになった。FGFは、ヒトES細胞やiPS細胞さらには癌幹細胞を始めとする様々な幹細胞の培養系の多くで使用されるが、何故FGFが培養に必要なのか、その普遍的な分子機構が明らかになった。この知見は、様々な幹細胞を再生医療に実用化して行く上で、大変有用である。
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