研究概要 |
本研究は,骨格筋再生過程を生体内でリアルタイムに観察するイメージングシステムの開発を目的としている. 申請者の所属する研究室では,現在までに構築した蛍光顕微鏡システムにより,シュワン細胞でβガラクトシダーゼを発現するトランスジェニックマウスを用いて生体内の筋肉表層に局在するシュワン細胞をβガラクトシダーゼの蛍光基質により可視化することに成功している.この顕微鏡システムと本研究計画から使用予定の蛍光実体顕微鏡を併用して骨格筋再生過程を連続観察するシステムを構築するために条件検討を行ってきた. 観察対象としてマウスの胸鎖乳突筋(sternomastoid muscle)と小趾外転筋(flexor hallucis brevis)について検討を行い.これらの筋肉で骨格筋再生の動態を観察できる可能性があることがわかった.今年度はβガラクトシダーゼの蛍光基質の検討と,筋障害方法(カルジオトキシンの濃度,投与方法)の検討などによりより長時間の観察をめざして検討を行った.また,同時に,より長時間の筋形成,再生過程を観察することが可能なゼブラフィッシュを用いてこの顕微鏡システムで,観察条件の検討を行った. 現在までのところ,マウスの筋再生過程の長時間観察には成功していないが,ゼブラフィッシュの筋形成過程をリアルタイムで長時間観察する条件を決めることが出来た.これらの成果は様々なトランスジェニックフィッシュをを用いた筋形成,筋再生研究のみならず,マウスの筋再生過程の長時間観察につながる有用な知見である.
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