研究課題/領域番号 |
18590265
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石川 一彦 大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (60379245)
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研究分担者 |
樂木 宏美 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20252679)
荻原 俊男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60107042)
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キーワード | hTERT / テロメア / 血管内皮細胞 / 老化 / テロメラーゼ |
研究概要 |
1. pEBc-hTERT作成とHUVECへの導入 EBウイルスのEBNA-1及びOriPを有するプラスミドベクターpEBcにテロメレースの触媒サブユニットであるhTERTを組み込んだpEBc-hTERTを用いた。pEBc-hTERTをHUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞;4継代)にLipofectin法により導入したところ、対照の発現ベクター(pCDNA-hTERT)に比べ、pEBc-hTERTの方で高いhTERT発現が認められた(Real-time RT-PCR、ウェスタンブロットによる定量)。さらに、8継代を経ても高いhTERT発現が維持されていた。 2. pEBc-hTERT導入HUVECの遺伝子発現解析 pEBc-hTERTによるhTERT過剰発現HUVECにおいて、テロメレースサブユニットであるTEP1発現には変化が認められなかった。しかし、細胞接着因子であるVCAM-1及びICAM-1の発現が亢進(共に約2倍)していた。しかし、継代を進めると対照群と同レベルにまで低下した。また、Klotho蛋白の発現の亢進(約1.5倍)も認められた。 3. pEBc-hTERT導入HUVECの老化マーカー検討 老化マーカーとしてSA β-galactosidase染色性を検討した。遺伝子導入時の4継代細胞ではSA β-galactosidase染色性(陽性細胞数)に差がなかったが、その後継代を繰り返すとpEBc-hTERT導入HUVECで陽性細胞数が有意的に少なかった。 以上の結果から、長期発現プラスミドpEBc-hTERTが、通常のベクターに比し、長期に効果が得られる事、血管内皮細胞に対して抗老化作用を発揮する事が分かった。またhTERTにより、細胞接着因子の発現亢進が亢進する事が示唆された。
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