研究課題/領域番号 |
18590305
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 敬一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70221322)
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研究分担者 |
大河原 知水 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50330452)
藤原 範子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10368532)
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キーワード | 活性酸素 / 糖鎖 / LECラット / トランスフェリン / 銅イオン / ヒアルロン酸 / プロテオグリカン / SOD |
研究概要 |
18年度の成果 1)in vitroの実験系でモデル糖鎖を活性酸素が切断するかをHPLCで解析したところ、銅イオンが配位しやすいアセチル基近傍ならびにカルボキシル基近傍で特異的な切断が起こっていることが分かった。 2)上記のような活性酸素による糖鎖修飾が実際に生体内でおこっているかを確認するために、銅イオン過剰な病態で肝炎肝癌自然発症モデルであるLEC(Long Evans Cinnamon)ラットを用いて検討した。 方法 LECラット血清中糖タンパク質の糖鎖をレクチンプロット法にて検討し、トランスフェリンの糖鎖構造の変化をレクチンを用いたELISA法にて検討した。また非肝炎期のLECラットの血清トランスフェリンを銅および過酸化水素にて処理し、糖鎖構造の変化をレクチンを用いて検討した。 結果 1.急性肝炎期のLECラット血清タンパク質へのレクチンの結合性が減少していたことから、糖鎖構造中のシアル酸およびガラクトースが減少していると考えられた。 2.血清トランスフェリンの糖鎖構造も同様にシアル酸およびガラクトースが減少していると考えられた。 3.LECラットの非肝炎期の血清を銅および過酸化水素で処理すると、トランスフェリンのシアル酸およびガラクトースが減少した。 以上によりLECラット急性肝炎時の血清糖タンパク質糖鎖の変化は、銅と過酸化水素により生成されるヒドロキシラジカルによるものと考えられ、我々の想定している病態が実際に生体内で起こっていることが強く示唆された。
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