研究課題/領域番号 |
18590332
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小田 義直 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (70291515)
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研究分担者 |
田宮 貞史 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (60284486)
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キーワード | 悪性軟部腫瘍 / 横紋筋肉腫 / ケモカインレセプター / 転移 / 血管新生 / CXCR4 / CCR7 / VEGF |
研究概要 |
i)悪性軟部肉腫:154例の悪性軟部腫瘍のホルマリン固定パラフィン包埋標本に対してCXCR4、VEGFおよび増殖能の指標としてのMIB-1の免疫染色を行なった。またMVDの計測のためにCD31の染色も行った。前年度に行ったこれらの症例のmRNAレベルと蛋白レベルでの結果の間に有意な相関関係を認めた。組織亜型別では非小円形細胞高悪性度肉腫(滑膜肉腫、平滑筋肉腫など)のCXCR4mRNA発現レベルは、小円形細胞肉腫(横紋筋肉腫、骨外性Ewing肉腫など)および非小円形細胞低悪性度肉腫(分化型脂肪肉腫、隆起性皮膚線維肉腫など)の発現レベルに比較して有意に高値を示した。非小円形高悪性度肉腫の中ではCXCR4高発現例は低発現例に比較して予後不良であった。またCXCR4発現とVEGF発現の間に相関を認めた。 ii)横紋筋肉腫:胞巣型39例、胎児型42例、多形型3例の計84例のパラフィン包埋標本に対してCXCR4、CCR6、CCR7、VEGF、MIB-1、CD31の免疫染色とMVDの計測を行った。これらのうち27例に凍結標本が使用可能でありCXCR4、CCR6、CCR7、VEGFのmRNA発現量の測定を行った。得られたmRNA発現および蛋白発現の間には有意な相関関係を認めた。胞巣型は胎児型に比較してCXCR4発現レベルが有意に高かったが、CCR6およびCCR7発現レベルでは両者の間に差異を認めなかった。原発巣と再発もしくは転移巣でのこれらケモカインレセプター発現レベルの比較が可能であった4例においては両者の間で有意な変化を認めなかった。ケモカインレセプター発現レベルと予後との関連は検討中である。
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