研究課題
基盤研究(C)
白血病だけでなく肝細胞癌を含む固形癌においても、幹細胞に癌化に関与する遺伝的変化が集積することにより、発癌に至るという説が立証されつつある。今回、がん幹細胞の存在を証明する為、まず培養がん細胞株よりフローサイトメーターを用いて、Hoechst33342の色素排泄能より、side population(SP)分画を分離し、その幹細胞としての特性を調べた(Endocrinol 148:1797-1803,2007)。SP法により分離された幹細胞様分画(SP細胞分画)は、培養系やマイクロアレイのデータでは幹細胞性格を有する特性が示された。一方、免疫不全マウスに移植したとき、必ずしもSP細胞分画とnon-SP細胞分画との間に著しい生着率などで差がなく、SP法では幹細胞の一部を分離することはできるが、必ずしも必要十分でないことが示された。このことにより、がん幹細胞の解析には、よりよい標的分子の同定と、それを認識する抗体が必要であることが示唆された。そこでhedgehog(Hh),Gli,sonic hedgehog(Shh),Pached(Ptc),Smoothened(Smo)などの幹細胞分化にかかわる転写因子の発現を、様々ながん組織で検索した(W J Gastroenterol 12:5687-5691,2006)。次に、放射線照射ががん幹細胞に与える影響を見るため、SP細胞分画の豊富ながん細胞株で発現が乏しく、逆にSP細胞分画がほとんどないがん細胞株では発現が多い遺伝子の一つであるThyroid Hormone Receptor beta(THR-β)の放射線感受性を解析した(J Rad Res49:17-27,2008)。Wild-type THR-βを導入した細胞では、放射線感受性が増加するが、逆にMutant-type THR-βを導入した細胞では、放射線感受性が低下した。このことにより、がん幹細胞の放射線抵抗性の特性に、THR-βが関与している可能性が示された。がん幹細胞SP分画non-SP分画放射線感受性。
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