研究課題/領域番号 |
18590336
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
畠山 金太 宮崎大学, 医学部, 講師 (60325735)
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研究分担者 |
丸塚 浩助 宮崎大学, 医学部, 準教授 (00239154)
佐藤 勇一郎 宮崎大学, 医学部, 助教 (90347055)
今村 卓郎 宮崎大学, 医学部, 講師 (60203329)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | ADAMTS-13 / 急性冠症候群 / 共焦点顕微鏡 / 免疫染色 / 組織病理学 / 血栓イメージング / von Willebrand factor / 冠動脈吸引血栓 |
研究概要 |
ADAMTS-13は、血栓形成を抑制する作用や血小板粘着凝集の抑制を介した内皮細胞の活性化防止作用を有していると考えられ、動脈硬化の進展や急性冠症候群(ACS)の発症に関与していると予想される。本班究においては、ACS患者から採取した検体を用いてADAMTS13を検討し、またIn vitroおよび動物実験により血栓形成に対する作用を検討した。方法:(1)急性心筋梗塞患者の冠動脈から吸引採取された新鮮血栓におけるvon Willebrand factor(VWF)とADAMTS13の局在を、免疫組織化学的手法を用いて検討した。(2)コラーゲンを固層化したガラス板上に、蛍光標識した血小板を含む全血を灌流し、共焦点顕微鏡によるイメージング後、形成された血栓の面積を計測した。(3)動脈硬化性血栓の形成におけるADAMTS-13の役割を検討するために、家兎大腿動脈バルーン再傷害モデルを用いて検討した。結果:(1)ADAMTS13は全ての冠動脈血栓に存在し、VWFとほぼ一致して局在した。(2)コラーゲン上に形成された血栓においても、ADAMTS13はVWFとほぼ一致して存在した。またADAMTS13活性阻害抗体により、灌流6分後の1500/Sにおける血栓面積率と血栓長径は有意に増大した。一方、100/Sずり速度下では、血栓面積率、血栓長径に有意な差を認めなかった。灌流により高分子量のVWFマルチマーは減少したが、ADAMTS13阻害抗体はこれを抑制した。 (3)ADAMTS13活性阻害抗体の投与により、肥厚内膜の傷害15分後に形成される血栓の面積は有意に増大した。考察:ADAMTS13は血栓内に存在し、高壁ずり速度下においてVWF切断を介して動脈硬化性血栓の形成を抑制することが示唆された。したがって、ACS発症に対しても深く関与していると考えられた。
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